きゅうねんるいせい【窮年累世】
自分の一生から孫子の代までも。▽「窮年」は人の一生涯。「累世」は子々孫々の意。「年としを窮きわめ世よを累かさぬ」と訓読する。
きょあんせいび【挙案斉眉】
妻が夫に礼儀を尽くし尊ぶたとえ。また、夫婦が互いに礼儀を尽くし尊敬して、仲がよいたとえ。膳ぜんを眉まゆの高さまで挙げて、両手でうやうやしくささげ持つ意から。▽「案」は膳。「挙案」は膳を挙げ持つ意で、「斉眉」は眉の高さと同じくしてささげること。「斉」は等しい意。「案あんを挙あぐるに眉まゆに斉ひとしくす」と訓読する。
きょくがくあせい【曲学阿世】
学問の真理にそむいて時代の好みにおもねり、世間に気に入られるような説を唱えること。真理を曲げて、世間や時勢に迎合する言動をすること。▽「曲学」は真理を曲げた正道によらない学問。「阿世」は世におもねる意。「阿」はへつらいおもねる意。「阿世曲学あせいきょくがく」ともいう。
ぎしんあんき【疑心暗鬼】
疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえ。疑いの深さからあらぬ妄想にとらわれるたとえ。疑いの心をもっていると、いもしない暗闇くらやみの亡霊が目に浮かんでくる意から。▽「疑心」は疑う心。「暗鬼」は暗闇の中の亡霊の意。「疑心暗鬼を生ず」の略。「暗」は「闇」とも書く。
くうぜんぜつご【空前絶後】
非常に珍しいこと、まれなこと。今までに例がなく、これからもあり得ないという意から。▽「空前」はこれまでにないこと。「絶後」は今後もありえないこと。
くぶくりん【九分九厘】
ほとんど完全に近いこと。ほとんど間違いなく確実なこと。推測・予想などがほぼ確実であること。十分のうち一厘を残すだけの意から。
くんしのきゅうし【君子九思】
君子である者が思い心がけるべき九つのこと。物を見るときは細かいところまでしっかり見る、話を聞くときは正確に聞く、表情は穏やかにする、身ぶりはつつましくする、物をいうときには真心をこめる、仕事は慎重にする、疑問を感じたら質問する、怒るときはその結果生じる難事・難題を考える、利益についてはそれが正当かどうか考えて善悪を吟味する、の九つのこと。
げんせいちゅうりつ【厳正中立】
厳しく公正を守り、どちらにも偏らない立場を守ること。「厳正」は厳しく公正を守ること。「中立」は両者の間に立って、どちらにも偏らないこと。
こうじつびきゅう【曠日弥久】
むなしく日月を費やして、久しきにわたること。また、むだに時間を過ごして事を長引かせること。▽「曠日」は多くの月日を経ること。また、むだに月日を過ごすこと。「弥久」は長い時間を経ること。「弥」はわたる、時間を経る意。「日ひを曠むなしくして久ひさしきに弥わたる」と訓読する。
こうじんばんじょう【黄塵万丈】
強い風に吹かれて、土煙がもうもうと空高く舞い上がっているさま。戦場で砂煙が舞い上がっているさまに用いられることもある。▽「黄塵」は黄色い土煙、砂煙。また、世間の俗事の意にも用いる。「万丈」はきわめて高いことをいう。「丈」は長さの単位。