いちごうしょかん【一業所感】
仏語。人はいずれも、同一の善悪の業(ごう)ならば同一の果を得るということ。共業共果(きょうごうきょうか)。「—の身なれば、先世の芳縁も浅からずや」〈平家・三〉
せんぺんいちりつ【千篇一律】
作られた多くの文章や芸術作品などが、どれも同じ調子や体裁で変わりばえのしないこと。転じて、どのようなことでも機械的に一つのマニュアルに従って処理して、融通がきかないこと。また、平凡で何の特徴もないこと。▽「千篇」は数多くの詩文のこと。「一律」はすべて同じ調子で変化がないこと。「篇」は「編」とも書く。
だいどうしょうい【大同小異】
だいたいは同じだが、細かい点に違いのあること。似たりよったり。大差のないこと。▽「大同」はだいたい同じであること。「小異」はごくわずかな違いの意。
どうしょういむ【同床異夢】
同じ寝床に寝ても、それぞれ違った夢を見ること。転じて、同じ立場にありながら、考え方や目的とするものが違うことのたとえ。
どうびょうそうれん【同病相憐】
同じ病気に苦しむ人々が、互いに同情し合うこと。また広く、同じ境遇で苦しむ者同士は、互いになぐさめ合うことをいう。▽一般に「同病どうびょう相あい憐あわれむ」と訓読を用いる。
どうぶんどうき【同文同軌】
天下を統一すること。また、天下が統一されていることの形容。▽「同文」は文字を、「同軌」は車の車輪の幅を統一すること。「文ぶんを同おなじくし軌きを同おなじくす」と訓読する。「同軌同文どうきどうぶん」ともいう。
ふぐたいてん【不倶戴天】
同じ天の下には一緒にはいない、同じ天の下には生かしておかない意で、それほど恨みや憎しみの深いこと。もとは父の仇かたきを言った。▽「倶ともには天てんを戴いただかず」と訓読する。
ふわらいどう【付和雷同】
自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。▽「付和」は定見をもたず、すぐ他人の意見に賛成すること。「雷同」は雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、むやみに他人の言動に同調すること。「雷同付和らいどうふわ」ともいう。「付」は「附」とも書く。
ほうがんびいき【判官贔屓】
弱者や薄幸の者に同情し、味方したり応援したりすること。また、その気持ち。▽「判官」は官職の名で、ここでは検非違使けびいしの尉じょう(判官)の職にあった源義経みなもとのよしつねのこと。「贔屓」は目をかけること。源義経が兄の頼朝よりともにねたまれて滅んだことに、人々が同情を寄せたことからいう。「判」は「はん」とも読む。
ほかくはくちゅう【保革伯仲】
政党などで、保守と革新のそれぞれの議員の数がほぼ同じであること。また、与党と野党の勢力がほぼ同じ場合にも用いられることがある。▽「保」は保守。「革」は革新。「伯」は長兄、「仲」は次兄の意で、「伯仲」は優劣のつけにくいこと、力が近接していること。