いしんでんしん【以心伝心】
文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。▽もとは禅宗の語で、言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝えることを意味した。「心こころを以もって心こころに伝つたう」と訓読する。
いちごいちえ【一期一会】
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。▽千利休の弟子宗二の『山上宗二記やまのうえそうじき』に「一期に一度の会」とあるのによる。「一期」は仏教語で、人が生まれてから死ぬまでの間の意。
いっしそうでん【一子相伝】
学問や技芸などの秘伝や奥義を、自分の子供の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないこと。▽「相伝」は代々伝えること。
いはつそうでん【衣鉢相伝】
教法や奥義を伝え継承すること。弟子が師の教えを受け継ぎ伝えること。今では広く先人の事業や業績を継ぐことにもいう。▽もと仏教語。「衣鉢」は三衣さんねと一鉢で、「衣」は袈裟けさ、「鉢」は托鉢たくはつのとき施し物を受ける鉢のこと。師から教えを受けるとき、この法具を用いることから、転じて奥義、師から伝えられた教えの意。「相伝」は受け伝えること。「衣鉢」は「いはち」「えはつ」とも読む。
かれんちゅうきゅう【苛斂誅求】
税金や借金などを容赦なく厳しく取り立てること。▽「苛」はむごい、また、責め立てる意。「斂」はおさめる、集める意。「誅」は責める意。
けちみゃくそうしょう【血脈相承】
仏の教えを師から弟子へ、また、その弟子へと連綿と受け継いでいくこと。
こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
しししんちゅう【獅子身中】
内部の者でありながら、害を及ぼす者のこと。また、恩を受けていながら裏切って害悪をなす者のこと。もとは、仏の弟子でありながら仏教に害をなす者をさす。獅子ししの体内に寄生する小さな虫が、獅子を死なせてしまうことがあるということから。
ししそうしょう【師資相承】
師の教えや技芸を受け継いでいくこと。また、師から弟子へ学問や技芸などを引き継いでいくこと。▽「師資」は師匠・先生。また、師匠と弟子。「師資しし相承あいうく」と訓読する。
しゅつらんのほまれ【出藍之誉】
弟子が師よりもすぐれた才能をあらわすたとえ。青色の染料は藍あいから取るものだが、もとの藍の葉より青くなることからいう。▽「藍」は、たで科の一年草。「青は藍より出いでて藍よりも青し」ともいう。