ぎょふのり【漁夫之利】
両者が争っているすきに、第三者が骨を折らずにその利益を横取りするたとえ。▽「漁夫」は漁師。「夫」は「父」とも書く。
ぐんけいせつじく【群軽折軸】
微細なものでも数多く集まれば大きなものになるたとえ。小さい力もこれを合わせ集めれば大きな力となるたとえ。きわめて軽いものでも多く積めば重くなって、それを載せた車の軸が折れてしまう意から。▽「群軽」は軽いものが多く集まったもの。「軸」は車の軸。「群軽ぐんけい軸じくを折おる」と訓読する。
さくそくてきり【削足適履】
本末を取り違えて、無理に物事を行うたとえ。折り合いをつけて、無理に合わせるたとえ。また、目先のことにとらわれて、根本を考えないたとえ。大きな足を削り落として、靴に合わせる意から。▽「適」は合わせること。「履」は靴・はきものの意。「足あしを削けずりて履くつに適てきせしむ」と訓読する。
しっぷうけいそう【疾風勁草】
苦境や厳しい試練にあるとき、初めて意志や節操が堅固な人であることが分かるたとえ。強い風の中に折れずにいる強い草の意、また、強い風が吹いて、初めて強い草であることが分かる意から。▽「疾風」は激しく速く吹く風。はやて。「勁草」は強い草。節操の堅い人のたとえ。「疾風しっぷうに勁草けいそうを知る」の略。
しゅんかしゅうとう【春夏秋冬】
春・夏・秋・冬の四季のこと。また、「季節を問わず」「一年中」の意。四季折々。
しんぶつこんこう【神仏混淆】
神道と仏教の二つの信仰を折衷し、融合・調和していること。日本の神と仏教の仏菩薩は本来同体であるとする考えに基づき、両者を同じ場所にまつり、信仰すること。神仏習合。
じゅうのうせいごう【柔能制剛】
弱いと思われた者でも、強い者に勝つこと。柔軟性に富んだ者は、硬直した剛の者より強いということ。「柳に雪折れなし」と同意。
ずいかんずいひつ【随感随筆】
思うまま感じるままに書き付けること。また、その文。▽「随感」は感じるままに、思うままにの意。「随筆」は筆にまかせて、筆のおもむくままに書き記したもの。
せっかはんりゅう【折花攀柳】
遊女の働く花柳街で、彼女たちと遊ぶこと。▽「折花」は花を手折ること、「攀柳」は柳の枝を引く意。昔、遊び女のいた花柳街には多くの柳が植えられていたことから、これを柳巷花街りゅうこうかがいといい、そこで遊ぶ意に用いられた語。
りゅうしょうきょくすい【流觴曲水】
昔、中国で、陰暦3月3日に行われた宴。折れ曲がった水の流れに杯を流し、その杯が自分の前に来るまでに詩を作り、杯の酒を飲んだ遊び。のちに日本でも行われた。→曲水の宴