あくいあくしょく【悪衣悪食】
質素で粗末な着物や食べ物。▽「悪衣」は粗末な着物。「悪食」は「あくじき」とも読むが、この場合は、粗末な食事という意味のほかに、人がふつう口にしないものを食べる、いわゆるいかもの食いの意味がある。
いちじゅういっさい【一汁一菜】
非常に粗末な食事のたとえ。汁物もおかずも一品の食事の意から。▽「菜」はおかずの意。
いちりゅうまんばい【一粒万倍】
一粒の種子をまけば、実って万倍もの収穫を得ることができる意から、わずかなものから多くの利益があがるたとえ。また、わずかなものでも粗末にしてはいけないという戒め。また、一つの善行が多くのよい結果をもたらすたとえ。▽「稲」の異名。
ぎゅうきどうそう【牛驥同皁】
賢者が愚者と同一の待遇を受けるたとえ。賢者が粗末に扱われるたとえ。また、賢者と凡人が混じるたとえ。足ののろい牛と一日に千里を走る駿馬しゅんめが、一緒の飼い葉桶おけの餌えさを食べる意から。また、牛馬と飼い葉桶を同じくして養われる意から。▽「驥」は一日に千里走ることのできる駿馬。「皁」は飼い葉桶の意。「牛驥ぎゅうき皁そうを同おなじうす」と訓読する。
じぼうじき【自暴自棄】
希望を失い、自分などどうなってもいいとやけくそになること。失望などのために投げやりな行動をして、自分を駄目にすること。また、そのさま。▽「自暴」はめちゃくちゃなことをして、自分自身のからだを損なうこと。「自棄」は自分で自分を見捨てること。
せいしはいそ【斉紫敗素】
知者が事を行えば災いを福に変じ、失敗を成功に転じることのたとえ。斉の国でもてはやされた紫色の絹も、もとは粗末な古い白絹を染め直したものであるの意から。▽「斉紫」は中国戦国時代の斉の国で産出した紫色の布地。「敗素」は古い白絹。敗素を紫地に染めただけで、斉紫は値段が十倍にもなったといわれる。
せんがくひさい【浅学菲才】
学問や知識が浅く未熟で、才能が欠けていること。自分の識見をへり下っていう語として用いられることが多い。▽「浅学」は学問や知識が浅く未熟なこと。「菲」はもと野菜の名で、かぶらの種類。転じて、薄い、粗末な、劣ったという意に用いられる。「菲才」は才能のないこと。「菲」は「非」とも書く。
そいそしょく【粗衣粗食】
質素な暮らし、貧しい生活の形容。▽「粗」は粗末、質のよくないこと。「衣」「食」は生活の基本。「粗」は「麁」とも書く。
そしゅそさん【粗酒粗餐】
安物の酒と粗末な食事のこと。客に出す料理や酒を謙遜けんそんしていうことば。
そせいらんぞう【粗製濫造】
いい加減な作り方の質の悪い製品を、むやみやたらに数多く作ること。▽「粗製」は粗末な作り方、「濫造」は無計画に大量に物を作ること。「濫」は「乱」とも書く。