むざんむき【無慙無愧】
悪事を働いても、それを恥じることなく平気でいること。▽仏教語。「無慙」は自分の犯した罪を、仏の教えを破りながらもそれを恥じない心。「無愧」は自分の罪を他人に対して恥じない心のこと。「慙はじること無なく愧はじること無なし」と訓読する。「慙」は「残」とも書く。
むしむへん【無私無偏】
個人的な利益や名誉を優先せず、公平に判断・行動するさま。▽「私」は自分勝手に物事を行うこと。「偏」は判断が偏っている意。
むりおうじょう【無理往生】
無理に自分の言動を押しつけ、承知させること。▽「無理」は強引に物事を行うこと。「往生」は、本来は「圧状」と書く。「圧状」は人を脅して、むりやり書かせた文書のこと。
むりおうじょう【無理圧状】
[名・形動]強引に押しつけて、自分の意見に従わせること。「愚父(おやじ)が貰って置いたと云って—に婚礼さしたのです」〈魯庵・社会百面相〉
めいしゃふもん【迷者不問】
道に迷う人は、人に相談せずに、自分勝手に行動してしまうからだというたとえ。転じて、分からないことは、積極的に人に尋ねるべきだという戒め。▽「迷者」は、自分の行く道を分かっていない者の意。「迷える者は路みちを問わず」の略。
めいてつほしん【明哲保身】
聡明そうめいで道理に明るい人は、危険を避け身を安全に保つ意。また、本来の意味とは異なり、「保身」の意味が誤解されて、自分の身の安全だけを考え、要領よく生きるという意味で使われることもある。▽「明哲」は賢くて物事の道理に明るいこと。また、その人やそのさま。「明哲めいてつ身みを保たもつ」と訓読する。
めっしほうこう【滅私奉公】
私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと。▽「滅私」は私利私欲を捨てること。「奉公」は国や社会などの公、または、主人や主君・上位の者などに自分の身をささげて尽くすこと。
もうげんたしゃ【妄言多謝】
口から出まかせに、いい加減な言葉を並べたてたことを深くわびる意。手紙などで自分の意見や考えを包み隠さず言った後に添える言葉。▽「妄言」は偽りの言葉、みだりな言葉の意。「多謝」は深くわびること。「妄」は「ぼう」とも読む。
やくろうちゅうのもの【薬籠中物】
いつも薬箱に入っていて、いつでも使える常備薬という意から、必要に応じて使うことのできる、身につけた知識や技術のこと。また、手なずけてあって、自分の言うことを忠実に聞く手下や部下のこと。
やろうじだい【夜郎自大】
自分の力量を知らずに、いばっている者のたとえ。▽「夜郎」は中国漢の時代の西南の地にあった未開部族の国の名。「自大」は自らいばり、尊大な態度をとること。