そくしんじょうぶつ【即身成仏】
この世の肉体のままで仏になること。▽「即身」は生身のままの意。真言密教の教義。衆生しゅじょうが、身・語・意の三密を修行することによって如来にょらいの三密と一体となり、成仏すること。
ぞくさんへんち【粟散辺地】
粟粒あわつぶを散らしたような辺境の小国。▽「粟散」は粟散国(粟のように散在する小国)のこと。「辺地」は最果ての地。特に日本人自身が、日本のことを中国やインドと対照させて、このように表現するときがある。「辺地粟散へんちぞくさん」ともいう。
たいぎめいぶん【大義名分】
人として、また、臣として国家や君主に対して守るべき道理・本分や節義。ある行為のよりどころとなる正当な理由や道理。▽「名分」は身分などに応じて、守るべき本分。
たくとくりょうりき【度徳量力】
自分の徳を量り、信望や力量を確かめ、事に当たること。身のほどを知ること。為政者が人々に信頼される人格と、政治を行う能力をもっているかどうか推し量ること。▽「度」「量」はともにはかる意。「力」は「りょく」とも読む。「徳とくを度はかり、力ちからを量はかる」と訓読する。
たんせきらてい【袒裼裸裎】
衣服を脱ぎはだかになること。転じて、はなはだ無礼な振る舞いのこと。▽「袒裼」はひじをあらわす、肌脱ぎになる意。「裸裎」は身をあらわにする、はだかになる意。
だんぱつぶんしん【断髪文身】
野蛮な風習のこと。▽「断髪」は髪を短く切ること。「文身」は刺青いれずみのこと。古代中国の呉越ごえつ一帯の風習。
ちそくあんぶん【知足安分】
高望みをせず、自分の境遇に満足すること。▽「知足」は足ることを知る意。分ぶんをわきまえて欲をかかないこと。「安分」は自分の境遇・身分に満足すること。「足たるを知しり分ぶんに安やすんず」と訓読する。
ちんぎょらくがん【沈魚落雁】
魚や雁がんも恥じらって、身を隠すほどの美人。▽もともとは『荘子そうじ』斉物論せいぶつろんに見える逸話で、人間の基準での美人を見ても魚や鳥は逃げるだけだという、価値の相対性を表した語。「落雁沈魚らくがんちんぎょ」ともいう。
どうとうてつがく【銅頭鉄額】
銅の頭と鉄のひたいの意から、きわめて勇猛であるさま。また、刀や槍やりを通さない厚い甲冑かっちゅうや、それに身を包む兵士のこと。
どくりつじそん【独立自尊】
人に頼らずに自分の力だけで事を行い、自己の人格・尊厳を保つこと。▽「自尊」は自身の品格を保つこと。