あいべつりく【愛別離苦】
親愛な者と別れるつらさ。親子・夫婦など、愛する人と生別または死別する苦痛や悲しみ。仏教でいう、八苦()の一つ。
いしはくじゃく【意志薄弱】
意志が弱くて決断することができなかったり、物事を我慢する気持ちの弱いさま。また、一度決めたことを、人の意見ですぐ翻す場合にも用いる。
いちようらいふく【一陽来復】
冬が終わり春が来ること。新年が来ること。また、悪いことが続いた後で幸運に向かうこと。陰の気がきわまって陽の気にかえる意から。▽もと易えきの語。陰暦十月は坤こんの卦かにあたり、十一月は復の卦にあたり、陰ばかりの中に陽が戻って来たことになる。「復」は陰暦十一月、また、冬至のこと。
いっけんらくちゃく【一件落着】
ある物事が決着、または解決すること。▽「一件」は一つの事柄や事件。「落着」はおさまりがつくこと。解決すること。
いっしそうでん【一子相伝】
学問や技芸などの秘伝や奥義を、自分の子供の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないこと。▽「相伝」は代々伝えること。
いっしんどうたい【一心同体】
二人、または多くの人が心を一つにして、あたかも一人の人のように固く結びつくこと。
いってんしかい【一天四海】
天下のすべて、全世界の意。▽「一天」は天の下すべて、一つの天下、天下全体。「四海」は四方の海の意。転じて、天下・全世界の意。
いってんばんじょう【一天万乗】
天子、また、天皇の意。▽「一天万乗の君」「一天万乗の天子」の略。「一天」は天下のすべて・天下中の意。「乗」は兵車、または兵を数える語。中国周代の制では兵車一乗には甲兵(武装した兵)三人、歩卒七十二人、輜重しちょう(荷物を運ぶ者)二十五人の合計百人がつく。「万乗」は兵車一万台の意で、それほどの軍隊を出せる領地をもっている人ということで、天子の意。
うんりゅうせいあ【雲竜井蛙】
地位や賢愚などの差が非常に大きいことのたとえ。雲翔かける竜と井戸のかえるの意から。▽「雲竜」は雲高く翔る竜の意から、高貴または高いことのたとえ。「井蛙」は井戸のかえるの意で、貧賤ひんせんまたは低いことのたとえ。「竜」は「りょう」とも読む。
おんこちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。