あおいきといき【青息吐息】
非常に困ったときや、きわめて苦しいときに発する元気のないため息。また、そのようなときの状態をいう。大きな心労・苦労があるとき、心身ともに疲れ果て、苦しそうな息づかいをすることから。▽「青息」は苦しいときの息。青ざめて息を吐くからとも、大息おおいきの転からともいう。「吐息」はため息。「―息」の熟語を重ねることで語調を整え、意味を強めたもの。
いちじせんきん【一字千金】
一字が千金もの大きな価値がある、立派な文字や文章。
いちにんとうせん【一人当千】
非常に大きな力や実力があること。きわめて勇気のあること。一人の力が千人の力にも匹敵する意から。▽「千」は「ぜん」とも読む。「一人いちにん、千せんに当あたる」と訓読する。
いちぼくなんし【一木難支】
ひとたび崩壊しかかると、一人の力ではどうすることもできないということ。▽「一木、大廈たいかの崩くずるるを支ささうる能あたわず」が常用句。「大廈」は大きな建物。大きな建物が崩れるときは、もはや一本の柱では支えられない、という意。「一木いちぼく支ささえ難がたし」と訓読する。
いちまいかんばん【一枚看板】
一座の代表的な役者のこと。また、多くの人の中で中心となる人物のこと。また昔、武家で中間ちゅうげんや小者に支給された着物を「かんばん」と呼んだことから、一着しかない衣服、人に見せられるような着替えのないこと。▽「一枚看板」は、歌舞伎かぶきで、出し物の演目(外題げだい)や主な役者の名や絵姿を、一枚の看板に書いて、劇場の前に掲げたことから出た語で、一枚の看板に名前ののるほどの役者の意から転じた。
いちりゅうまんばい【一粒万倍】
一粒の種子をまけば、実って万倍もの収穫を得ることができる意から、わずかなものから多くの利益があがるたとえ。また、わずかなものでも粗末にしてはいけないという戒め。また、一つの善行が多くのよい結果をもたらすたとえ。▽「稲」の異名。
いっかくせんきん【一攫千金】
一度にたやすく大きな利益を手に入れること。一つの仕事で巨利を得ること。▽「一攫」は一つかみの意。「攫」を「獲」と書くのは本来は誤用。「千金」は大金の意。非常に高価、貴重なことのたとえ。
いっせつたしょう【一殺多生】
一人の悪人を犠牲にして、多数の者を救い生かすこと。多くの人を生かすには、一人を殺すのもやむを得ないということ。▽仏教語。「多生」はたくさんの人を生かすこと。「殺」は「さつ」とも読む。
いんしょうしつだい【因小失大】
小さな利益にこだわり、かえって大きな損失を招くこと。▽「小しょうに因よりて大だいを失うしなう」と訓読する。
いんようごぎょう【陰陽五行】
天地間にあって、万物を造り出す陰と陽の二気と、天地間に循環流行して、万物を生じるもとになる水・火・木・金・土の五つの元素。万物の構成要素。古来、これらの要素の消長などによって、吉凶禍福など万象を解釈・説明しようとした陰陽五行説が行われ、いろいろな迷信が生まれて、人々の生活に大きな影響を及ぼした。日本の陰陽道おんようどうもこの流れを汲くんでいる。▽「陰」は「おん」とも読む。