《古代ギリシャ語で「中空の脊柱」という意味》シーラカンス目の魚類の総称。デボン紀に出現し白亜紀に絶滅したと考えられていたが、1938年に南アフリカで捕獲され、ラティメリアと命名された。体長1〜2メートル。体表は硬い鱗で覆われ、硬い背骨の代わりに軟骨でできた中空の脊柱があり、うきぶくろは脂肪で満たされ、手足のように発達した鰭 (ひれ) をもつなど、現生魚類と異なる点が多く、脊椎動物の進化の過程を解明するうえで貴重な資料。繁殖集団の生息地として東アフリカのコモロ諸島周辺やタンザニア北部沿岸、およびインドネシアのスラウェシ島沖などが知られている。
[補説]ミトコンドリアDNA分析の結果から、アフリカとインドネシアのシーラカンスは3000〜4000万年前に、コモロ
諸島とタンザニア
北部の
集団は少なくとも20万年前に、遺伝的に
分岐したと考えられている。