《「な」は地、「い」は居の意》

  1. 大地。地盤。「ない震 (ふ) る」「ない揺 (よ) る」などの形で、地震が起こる意で使われることが多い。

    1. 「下動 (とよ) み―が揺り来ば破 (や) れむ柴垣」〈武烈紀・歌謡〉

  1. 地震。

    1. 「恐れのなかに恐るべかりけるはただ―なりけり」〈方丈記

うち。なか。内部。「ディスク内の情報」

[形][文]な・し[ク]
  1. 物事が存在しない。「あやしい節は―・い」「読書に飽きることは―・い」

  1. 持っていない。「金が―・い」「子供が―・い」「信用が―・い」「品が―・い」「魅力が―・い」

  1. 時間・数量などが、その表示された数に達していない。「開演まで五分も―・い」「海岸まで一〇〇メートルと―・い」

  1. 気持ちをもたない。心がはっきりしていない。「正体―・く酔っている」「まるでやる気が―・い」

  1. 経験していない。「見たことが―・い」

  1. 同じ物が二つと存在しない。類がない。「またと―・い珍品」

  1. (「亡い」とも書く)すでに死んで、この世にいない。「母の―・い子」「私は―・い者と考えてください」

  1. 留守である。不在である。

    1. 「老いらくの来むと知りせば門さして―・しと答へて逢はざらましを」〈古今・雑上〉

    1. ㋐形容詞型・形容動詞型活用の語の連用形に付いて、打消しの意を表す。「あの映画はおもしろく―・い」「そんな話は聞きたく―・い」「後悔なんて君らしくも―・い」「人が言うほどきれいで―・い」「申し出は受け入れられそうに―・い」「見た目ほど忙しいようでは―・い」

    2. ㋑(「…ないではない」「…ないこともない」などの形で)すっかり否定しきらないで、いくらかは認めるさま。「言い分はわからないでも―・い」「条件によっては承知できないことも―・い」

    3. ㋒(「…ではないか」などの形で)確認したり念を押したりする意を表す。「あれほど説明したでは―・いか」「やればできるじゃ―・いか」

    4. ㋓(「…しようではないか」などの形で)勧誘したり催促したりする意を表す。「ともに頑張ろうでは―・いか」「やってみせようじゃ―・いか」

    5. ㋔(「…のではない」などの形で)否定・禁止の意を表す。「人をからかうものでは―・い」「頭で覚えるんじゃ―・い、からだで覚えるんだ」

    6. ㋕(「…ともなく」などの形で)はっきりしないままそれが行われるさま。「聞くとも―・く話を聞く」「降るとも―・く降り続く雨」

    7. ㋖(「お…でない」などの形で)禁止の意を表す。「調子に乗っておふざけで―・い」

  1. 10 名詞に付いて、否定の意を含む形容詞をつくる。「こころ―・い」「違い―・い」「面目 (めんぼく) ―・い」

[派生]なげ[形動]なさ[名]
[感]武家に仕える中間 (ちゅうげん) ・奴 (やっこ) などが呼ばれて答えるときなどに発する語。はい。
  • 「『馬取り共その間、宮へ行て休息せい』『―』」〈浄・鑓の権三
[助動][なかろ|なく・なかっ|ない|ない|なけれ|○]動詞・助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」「たがる」の未然形に付く。
  1. 動作・作用を打ち消す意を表す。「悪い本は読まない

    1. 「足下 (そっか) のやうに言 (ものをい) うては論が干 (ひ) ない」〈滑・浮世床・初〉

  1. 文末にあり、上昇調のイントネーションを伴って、発問・勧誘を表す。「学校から通知が来ない」「そろそろ出かけない」→ないかないでなかったなくてならない

[補説]「ない」は室町末期以来主に東日本で使われているが、終止形・連体形以外の用法はきわめて少ない。「ず(ぬ)」に代わって打消しの助動詞として用いられるようになったのは、江戸後期からである。語源については、打消しの助動詞「ぬ」を形容詞化したとみる説、形容詞「なし」、または、東国方言「なふ」の音変化説など諸説がある。「ない」がサ変動詞に付くときは、「しない(じない)」の形をとる。また動詞のうち「ある」には付かない。2は、話し言葉に用いられるが、終止形用法に限られ、ほとんど打消しの意が失われているところから、終助詞として扱うこともある。
[接尾]《形容詞型活用[文]な・し(ク活)》形容詞・形容動詞の語幹など性質・状態を表す語に付いて形容詞をつくり、その意味を強調する。「あどけ―・い」「せわし―・い」「切―・い」「はした―・い」

だい

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出典:青空文庫