[補説]多国籍軍は開戦後約3
週間で主要都市を
制圧。2003年5月に米国大統領
ブッシュ
が
戦闘の
終結を
宣言したが、米英軍を
中心とする占領統治下でも、武装勢力によるテロやゲリラ
活動、イスラム宗派間の武力抗争が続いた。2006年5月に正式政府が発足し、2008年には治安回復の
傾向がみられたことから、イラク
当局への治安権限移譲が進んだ。
各国の派遣部隊は次々と
撤収し、2009年7月には英国軍が
撤退を完了。
米国は2010年8月に大統領
オバマが戦争終結を
宣言し、主要戦闘部隊を
撤退させ、残留部隊も2011年12月までに完全撤退した。日本は人道支援の名目で
平成15年(2003)12月から
自衛隊を
派遣。派遣先の治安権限が
英国からイラクに移ることなどを
理由に、
陸自は
平成18年(2006)7月に
撤収、
空自も
平成21年(2009)2月に
撤収を完了した。
米国は、イラクが大量破壊兵器を
保有し、大統領
サダム=フセイン(
当時)が
国際テロ
組織アルカイダを
支援している疑いがあるなどとして
開戦したが、その後の
調査で、大量破壊兵器は
発見されず、フセイン
政権と
アルカイダの
関係も
立証されなかった。フセインは2003年12月に
逮捕。1982年に
自国のシーア派住民を大量殺害したことが
人道に対する罪にあたるとして死刑判決を受け、2006年12月に刑が執行された。