ひんこうほうせい【品行方正】
心や行いが正しく立派なさま。▽「品行」は行い・振る舞い・行状のこと。「方正」は心や行いが、正しくきちんとしているさま。
へいがせいく【並駕斉駆】
実力・能力・地位などに差がないこと。数頭の馬がくつわを並べて、一台の車を引っ張り疾走する意から。▽「駕」は馬車・のりもの。「斉」は等しい意。「駆」は馬が走ること。また、馬を走らせること。「斉駆並駕せいくへいが」ともいう。
ぼっこんりんり【墨痕淋漓】
筆で書いたものが、生き生きとしてみずみずしいさま。▽「墨痕」は墨のあと、墨を使って表現したもの。「淋漓」は水や汗や血などが流れ落ちるさま。また、筆の勢いが盛んなさま。
ぼんのうぼだい【煩悩菩提】
悟りの障害となる人間の迷いの煩悩も、そのまま悟りにつながるきっかけとなること。悟りも悟りの実現を妨げる煩悩も、永久不変の真如しんにょの現れであり、人間の本性であるから、本来別のものでなく、二つは一体であるということ。また、迷いがあって初めて悟りもあるという意。▽大乗仏教の言葉。「煩悩」は心身を悩ます欲情の心の働きの意。「菩提」は一切の迷いのない悟りに至る境地の意。「煩悩即そく菩提」の略。
まっぽうまっせ【末法末世】
時代がくだり、仏教が衰え、道徳が乱れた末の世のこと。▽「末法」は釈迦しゃかの入滅にゅうめつ後、正法しょうぼう(五百年間)、像法ぞうぼう(千年間)に続くその後の一万年のこと。末法の世には仏法が衰えて、救いがたい世の中になるという。「末世」は仏法のすたれた世、末法の世の意。
むじょうじんそく【無常迅速】
現世の物事の移り変わりがきわめて速く、むなしいものであるさま。転じて、人の一生は短く、死期が思い掛けず早く訪れることのたとえ。▽仏教語。「無常」はあらゆるものは生死を繰り返し、永久不変のものは一切ないということ。「迅速」はきわめて素早いさま。
むりなんだい【無理難題】
理屈に合わない無理な注文。実現がとうてい不可能な要求。簡単に解決するのが難しい問題。▽「無理」は理由が立たないこと。道理が立たないこと。「難題」は簡単に解決できない問題、言い掛かりの意。
めいせいかくかく【名声赫赫】
世間での、よい評判が盛んなさま。▽「名声」はよい評判の意。「赫赫」は勢いが盛んなさま。「赫赫」は「かっかく」とも読む。
もくしきし【目指気使】
言葉でなく、目で合図したり顔色で示したりして、自分より目下の者を指図し、こき使うこと。また、勢い盛んで、傲慢ごうまんな態度のことをいう。▽「目指」は目くばせで、人を指図し使うこと。「気使」は口にすることなく、手ぶりで人に命令すること。
ゆうもうかかん【勇猛果敢】
勇ましくて力強く、決断力のあるさま。▽「勇猛」は勇ましく、たけだけしいさま。「果敢」は思いきりがよく勇敢なさま。