いちろじゅんぷう【一路順風】
船が追い風に帆をあげてひたすら進むようにという意で、道中の無事を祈って旅立つ人にかけることば。また、物事が順調に運ぶさま。
いっきかせい【一気呵成】
ひと息に文章を完成すること。また、物事を中断せずに、ひと息に仕上げること。▽「呵」は息を吹きかけること。「呵成」は息を吹きかけるだけで完成する、また、凍った筆に息を吹きかけ一気に書き上げる意ともいう。
いっしょうけんめい【一生懸命】
命をかけて物事に当たるさま。本気で物事に打ち込むさま。▽「懸命」は命がけでの意。転じて、真剣に物事に当たるさま。「一所懸命いっしょけんめい」から出た語。一所懸命いっしょけんめい
うかとうせん【羽化登仙】
酒などに酔って快い気分になることのたとえ。天にも昇る心地。羽が生え仙人になって、天に昇る意から。▽「羽化」は羽が生えて、空を自由に翔かける仙人になること。「登仙」は天に昇って仙人になる意。
うこさべん【右顧左眄】
右を見たり左を見たりして、ためらい迷うこと。また、まわりの情勢や周囲の思惑・意見を気にして、なかなか決断できないでいること。▽「顧」は気にかけて振り返る、気になって見る意。「眄」は気にかけて流し目でちらりと見ること。「左眄右顧さべんうこ」ともいう。
うんりゅうせいあ【雲竜井蛙】
地位や賢愚などの差が非常に大きいことのたとえ。雲翔かける竜と井戸のかえるの意から。▽「雲竜」は雲高く翔る竜の意から、高貴または高いことのたとえ。「井蛙」は井戸のかえるの意で、貧賤ひんせんまたは低いことのたとえ。「竜」は「りょう」とも読む。
かんこつだったい【換骨奪胎】
古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。▽もと、「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替える、「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせる意で、修練をして根本から仙人に生まれ変わることをいう道家の語。転じて、詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。「奪胎換骨だったいかんこつ」ともいい、「奪」は「脱」とも書く。「骨ほねを換かえ胎たいを奪うばう」と訓読する。
きょどうけんきょう【虚堂懸鏡】
心をむなしくし、公平無私にものを見るたとえ。また、その心。人のいない部屋に鏡をかける意から。▽「虚堂」は人のいない部屋、何もない部屋。「懸鏡」は鏡をかけること。また、かけられた鏡。
したさきさんずん【舌先三寸】
口先だけの巧みな弁舌。うわべだけのうまい言葉で、心や中身が備わっていないこと。▽「舌三寸」ともいう。
しゃくこんかんし【釈根灌枝】
末節に心を奪われたりこだわったりして、物事の根本を忘れるたとえ。木の根に水をやらないで、枝に注ぎかける意から。▽「釈」は捨てる意。「灌」は水を注ぎかける意。一般に「根ねを釈すてて枝えだに灌そそぐ」と訓読を用いる。