ごふうじゅうう【五風十雨】
世の中が平穏無事であるたとえ。気候が穏やかで順調なことで、豊作の兆しとされる。五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降る意から。▽出典の「五日にして一ひとたび風ふき、十日にして一たび雨ふる」の略。
ごりむちゅう【五里霧中】
物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること。また、そうした状態。五里にもわたる深い霧の中にいる意から。事情などがはっきりしない中、手探りで何かをする意にも用いる。▽「五里霧」は五里四方に立ち込める深い霧。
ごりんじっき【五倫十起】
中国後漢ごかんの第五倫だいごりんは清廉公平で知られていたが、ある時、人からあなたのような方でも私心があるのかと聞かれ、兄の子の病気には一晩に十回も起きて見舞っても家に帰れば安眠できたが、わが子の病気には見舞いには行かなくても心配で夜眠れない、これこそ私心ある証拠であるといった故事。▽「五倫」は人の名で、後漢の第五倫。「十起」は十たび起きること。『蒙求もうぎゅう』の一句。
さいかきっすい【採菓汲水】
厳しい仏道修行のたとえ。仏に供えるため、木の実を採り、花を摘み、水を汲くむ意から。▽仏教語。「菓」は木の実。「菓かを採とり水みずを汲くむ」と訓読する。「菓」は「果」「花」とも書き、「汲」は「ぎっ」「きゅう」とも読む。
さいかんのさんゆう【歳寒三友】
冬の寒い季節に友とすべき三つのもの。松・竹・梅。また、梅・水仙・竹。多く画題となっている。また、乱世に友とすべき山水・松竹・琴酒きんしゅをいうこともある。▽「歳寒」は冬の寒い季節。転じて、乱世や逆境のたとえ。
さいしゅうふくしゅう【載舟覆舟】
君主は人民によって支えられ、また、人民によって滅ぼされること。君主は人民を愛し、政治に安んじさせることが必要であるということをいう。また、人は味方して盛り立ててくれることもあれば、敵となってつぶしにかかることもあるということ。▽水は舟を浮かべるものであるが、同時に舟を転覆させもする意。君主を舟、民衆を水にたとえたもの。「舟ふねを載のせ舟ふねを覆くつがえす」と訓読する。
さくそくてきり【削足適履】
本末を取り違えて、無理に物事を行うたとえ。折り合いをつけて、無理に合わせるたとえ。また、目先のことにとらわれて、根本を考えないたとえ。大きな足を削り落として、靴に合わせる意から。▽「適」は合わせること。「履」は靴・はきものの意。「足あしを削けずりて履くつに適てきせしむ」と訓読する。
さんがきんたい【山河襟帯】
自然の要害の堅固なことのたとえ。山が襟えりのように取り囲み、川が帯のように巡り流れる意から。
さんこうすいちょう【山高水長】
山が高くそびえ、川が長く流れるさま。高潔な人の功績や徳望が崇高で、長く人に仰がれることの形容。また、人の品性が高大で高潔なことの形容に用いられることもある。▽「山高」は山がどっしり高くそびえる意で、功績や徳望の高さを人から仰がれるたとえ。「水長」は川の水が絶えることなく流れる意で、長く尽きることのないたとえ。「山やまのごとく高たかく水みずのごとく長ながし」と訓読する。
さんそうにもく【三草二木】
法華七喩の一。「法華経」薬草喩品に説くたとえで、薬草に大中小、木に大小の不同はあるが、雨の恵みを等しく受けて育って薬用となるように、人に能力・素質の違いはあっても仏の教化を受けることで悟りに入り...