えいゆうぎじん【英雄欺人】
卓抜した能力をもつ人は、そのすぐれたはかりごとで、普通の人が思いもよらない手段や行動をとるものであるということ。▽一般に「英雄えいゆう人ひとを欺あざむく」と訓読を用いる。
えこひいき【依怙贔屓】
特に一方に心をかたむけ公平でないこと。また、好きなほうにだけ心を寄せ、肩入れすること。▽「依怙」は本来は頼る意であるが、わが国では不公平の意にもなる。「贔屓」はもと「ひき」と読み、盛んに力を用いて努力すること。転じて、特に目をかけて引き立てること。「贔」を「ひい」と読むのは「ひ」の長音化したもの。
えしゃじょうり【会者定離】
この世で出会った者には、必ず別れる時がくる運命にあること。この世や人生は無常であることのたとえ。▽仏教語。「定」は必ずの意。
えんにゅうさんたい【円融三諦】
仏教のことばで、天台宗で説く三つの真理のこと。三つの真理とは、空諦くうたい(一切存在は空である)と、仮諦けたい(一切存在は縁起によって仮に存在する)、中諦ちゅうたい(一切存在は空・仮を超えた絶対のものである)であり、この三つの真理が互いに融けあって、同時に成立していること。
えんぶしゅうぶん【偃武修文】
戦いをやめ、文教によって平穏な世の中を築くこと。▽「偃武」は武器を伏せかたづける意。戦いをやめること。「偃」は伏せる意。「修文」は文徳を修めること。学問を修めること。「武ぶを偃ふせ文ぶんを修おさむ」と訓読する。
えんりえど【厭離穢土】
⇒ おんりえど(厭離穢土)
おかめはちもく【傍目八目】
《他人の囲碁をそばで見ていると、対局者よりも冷静に手が読める意から》第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。 [補説]「対局者よりも8手先まで見通せる」とする解釈が広く...
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
かいぜんばんり【階前万里】
天子が地方政治の実情をよく知っていて、臣下は天子を欺くことができないたとえ。万里の遠方の出来事も、手近な階段の前のことのように分かる意から。▽「階前」は階段の前。宮殿の階段の前の意。
かくはつどうがん【鶴髪童顔】
老人の元気のあること。老いてなお精気盛んなこと。つるのように白髪で、幼い血色のいい顔をしている意から。▽「鶴髪」はつるの羽毛のように真っ白な髪であることから白髪、しらがの雅称。「童顔」は子供の顔のこと。また、子供のように血色のいい顔つきをいう。「童顔鶴髪どうがんかくはつ」ともいう。