えんすいきんか【遠水近火】
遠くにある水は近くの火事を消すには役に立たない意から、遠くにあるものは緊急の用事には役立たないということ。また、緩慢な応対では緊急の事態を解決できないことのたとえ。
えんとういっかつ【鉛刀一割】
鉛でできた切れ味の悪い刀でも、一度は物を断ち切ることができる意から、凡庸な人でも時には力を発揮できるときがあるたとえ。多くは自分の微力を謙遜けんそんしていう語。また、一度用いると二度と使えないことから、一度しか使えず二度と役に立たないことのたとえ。
えんもくとじ【鳶目兎耳】
トビの目は遠くのことまで目ざとく見つけることができ、兎の耳はどんな小さな音もよく聞こえるという意で、そのような目と耳を持った鋭い人。
えんりょきんゆう【遠慮近憂】
遠い将来のことまで見通した深い考えをもたないでいると、必ず手近なところに身にさし迫った心配事が起こること。▽「遠慮」は先々まで見通した深い考え、配慮のこと。「近憂」は身近に迫った心配事の意。「遠き慮おもんぱかり無ければ、必ず近き憂うれい有り」の略。
おうじょうのそかい【往生素懐】
仏教に帰依し、現世を去って極楽浄土に生まれ変わりたいという平素からの願い。▽「往生」は現世を去って、極楽浄土に生まれ変わること。「素懐」は平素からの思い・願い。
おうせきちょくじん【枉尺直尋】
大きなことを成功させるためには、小さな犠牲はやむを得ないということ。
おかめはちもく【岡目八目】
事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できること。囲碁から出た語。碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越すという意から。▽「岡目」は他人がしていることをわきで見ていること。「目」は碁盤の目の意。「岡」は「傍」とも書く。
おかめはちもく【傍目八目】
《他人の囲碁をそばで見ていると、対局者よりも冷静に手が読める意から》第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。 [補説]「対局者よりも8手先まで見通せる」とする解釈が広く...
おんいへいこう【恩威並行】
人の上に立つ者は、適切な賞罰をはっきりと行うことが必要だということ。飴あめと鞭むちを適切に用いること。▽「恩威」は恩恵と刑罰、賞罰。また、恩恵と威厳。「並行」は並び行う意。「恩威おんい並ならび行おこなう(行おこなわる)」と訓読する。
かいかんゆうえき【開巻有益】
読書はためになるということ。読書を奨励する語。▽「開巻」は書物を開く意。転じて、読書。「有益」は役に立つこと。「巻かんを開ひらけば益えき有あり」と訓読する。