けんあいむし【兼愛無私】
自他の区別なく、広く人を愛して区別がないこと。中国戦国時代の墨子の思想。▽「兼愛けんあい私わたくし無なし」と訓読する。
けんがそうせい【犬牙相制】
国境が複雑に入り組んだ国同士が互いに牽制し合うこと。
けんきょうふかい【牽強付会】
自分の都合のいいように、強引に理屈をこじつけること。▽「牽強」「付会」はともに、道理に合わないことを無理にこじつけること。「付」は「附」「傅」とも書く。
げいいんばしょく【鯨飲馬食】
むやみにたくさん飲み食いすること。また、一度にたくさんのものを飲み食いすること。鯨のようにたくさんの酒や水を飲み、馬のように多く食べる意から。
げいしょううい【霓裳羽衣】
薄絹などで作った、女性の美しくて軽やかな衣装のこと。また、舞曲の名。もと西域から伝来したものという。一説に唐の玄宗が仙人と月宮に遊び、仙女の舞を見たが、玄宗はその音調を覚えて帰り、楽士にそのとおり作らせたのがこの楽曲という。楊貴妃ようきひはこの舞を得意としたとされる。▽「霓裳」は虹にじのように美しいもすそ(スカート)の意。「霓」は虹。「羽衣」は鳥の羽で作った軽い衣。天あまのはごろも。天人や仙人が着て空を飛ぶという。
げんぶんいっち【言文一致】
日常用いている話し言葉によって文章を書くこと。また、特に明治時代を中心に行われた文体の改革運動をいう。明治初期に文学界では二葉亭四迷ふたばていしめい、山田美妙やまだびみょう、尾崎紅葉らが小説に試み、明治末期以降に確立した。▽「言文」は話し言葉と書き言葉。口語と文語の意。
こううんりゅうすい【行雲流水】
空行く雲や流れる水のように、深く物事に執着しないで自然の成り行きに任せて行動するたとえ。また、一定の形をもたず、自然に移り変わってよどみがないことのたとえ。▽「行雲」は空行く雲。「流水」は流れる水。諸国を修行してまわる禅僧のたとえにも用いられることがある。「流水行雲りゅうすいこううん」ともいう。
こうがんかれん【紅顔可憐】
もとは元気でかわいらしい若者のたとえ。元気でかわいらしい若者がやがて老いるように、時の流れが無常であることのたとえ。
こうげんれいしょく【巧言令色】
口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること。人に媚こびへつらうさま。▽「巧言」は相手が気に入るように巧みに飾られた言葉。「令色」は愛想よくとりつくろった顔色。「令」はよい意。
こうどうきちにち【黄道吉日】
すべてのことをするのによい日。日柄のよい日。星占いの説で、青竜・明堂など六辰りくしん(六つの星で吉の神)が当たる日をいい、何をするにも吉であるとされる。わが国の陰陽道おんようどうでもいう。▽「黄道」は地球から見て、太陽が運行するように見える軌道。「吉日」は「きちじつ」「きつじつ」「きつにち」とも読む。略して「黄道日こうどうじつ」ともいう。