いちりゅうまんばい【一粒万倍】
一粒の種子をまけば、実って万倍もの収穫を得ることができる意から、わずかなものから多くの利益があがるたとえ。また、わずかなものでも粗末にしてはいけないという戒め。また、一つの善行が多くのよい結果をもたらすたとえ。▽「稲」の異名。
かいぶつせいむ【開物成務】
万物を開発してあらゆる事業を完成させること。また、人々の知識を開いて世の中の事業を成就させること。人間や禽獣きんじゅうに至るまで、閉じふさがり通じないものを開き、それぞれの事物の当然の職務や事業を成就し完遂させる意から。もと易えきの目的を述べた語。▽「開」は閉じふさがり通じないものを開き発展させる意。「物」は万物。「成」は成就の意。「務」は職務・事業の意。略して「開成」ともいう。「物ものを開ひらき務つとめを成なす」と訓読する。
きゅうしいっしょう【九死一生】
危ういところで奇跡的に助かること。ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。▽「九死」は十のうち九まで死の可能性が高いことで、ほとんど死が避けがたい危険な場合をいう。「一生」は十のうち一の生きる可能性の意。一般には「九死に一生を得る」という形で用いることが多い。
くんしばんねん【君子万年】
君子は長寿であること。長寿を祈る語としても用いられる。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「万年」は一万年で、長い年月。「万」は「まん」とも読む。
ごぎょうそうこく【五行相剋】
水・火・金・木・土の五つの根元要素が互いに力を減じ合い、水は火に、火は金に、金は木に、木は土に、土は水に勝つという考え方。五行の徳を歴代の王朝にあてはめて変遷の順を理論づけた学説の一つ。▽「剋」は勝つ意。「五行」は日常生活に欠くことのできない木・火・土・金・水の五つの要素で、これらがある一定の法則で循環交代して万物を生ずる根元となると考えられた。「剋」は「克」とも書く。
ごくらくじょうど【極楽浄土】
阿弥陀仏あみだぶつがいるとされる苦しみのない安楽の世界。西方に十万億土の彼方にあり、まったく苦しみのない安楽な理想の世界。
しっかいじょうぶつ【悉皆成仏】
万物すべてが仏になること。▽仏教語。「悉皆」は一つ残らず全部、ことごとくすべての意。
しっちんまんぽう【七珍万宝】
七宝と多くの宝物。▽「七珍」は「七宝」と同じく七つの宝物。金・銀・瑠璃るり硨磲しゃこ瑪瑙めのう玻璃はり珊瑚さんご。他にも諸説がある。「万宝」は多くの宝物。「宝」は「ぼう」とも読む。
しゅうみょうのもん【衆妙之門】
すべての物が出てくる場所、その根源。万物がそこを通りぬけて出てくるという門。万物の源となるところ。
ほうていばんり【鵬程万里】
はるか遠くへだたった旅路・道程のたとえ。また、限りなく広がる大海の形容。前途が洋々たることの形容に用いられることもある。▽「鵬」は想像上の巨大な鳥。おおとり。背中の大きさは何千里あるかわからず、つむじ風を起こして九万里の上空に飛び上がるという。「程」は道程の意。「万里鵬程ばんりほうてい」ともいう。