いたんじゃせつ【異端邪説】
正統でないよこしまな思想・信仰・学説。▽「異端」は正統でなく、正道に反する教説。また思想・信仰・学説などで、多数の人に一般的に認められた正統に対して、特殊な少数の者に信じられ、主張されているものをいう。もとこの語は『論語ろんご』為政いせいから出たもの。「邪説」はよこしまな議論、不正な主張の意。「邪説異端じゃせついたん」ともいう。
きしせんめい【旗幟鮮明】
主義主張や態度などがはっきりしているたとえ。旗じるしがはっきりして鮮やかである意から。▽「旗幟」は旗・のぼり。外にあらわれた主義主張や態度などのたとえ。「鮮明」は鮮やかではっきりしているさま。
くんしひょうへん【君子豹変】
君子が過ちを改めて善に移るのは、ひょうの皮のまだら模様のように非常にはっきりしているということ。転じて、現在では主張や態度が急にがらりと変わることをいう。また、その無節操ぶりを非難する語。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「豹変」は季節によってひょうのまだら模様が美しくなることから、主張や態度などが急に変わること。
しようまっせつ【枝葉末節】
主要でない部分。些細ささいな部分。本質からはずれた些末さまつなこと。▽「枝葉」は枝と葉で、幹が主要なもののたとえであるのに対して、主要でない部分のたとえ。「末節」は木の末のほうの節ふしの意で、主要でない些末な部分のたとえ。
ちゅうくんあいこく【忠君愛国】
君主に対して忠節を尽くし、国を愛すること。▽「忠君」は君主に対して忠節であること。「愛国」は国を愛すること。
ちゅうこういっち【忠孝一致】
主君に忠節を尽くすことと、親に孝行を尽くすこととが同じであること。また、それらを全うすることができること。▽「忠」は主君に対する忠義、「孝」は親孝行。
にっきょげっしょ【日居月諸】
君臣、君主とその夫人、父と母などのたとえ。また、月日が流れ去ること。▽「居」「諸」はともに句末に置いて語調を整える字。「日よ月よ」と呼び掛けている。「日」と「月」は、ともに天に輝き下界を照らしていることから、君主と夫人にたとえられる。のち、日付の月日の意味をもたせるようになった。一般に「日ひや月つきや」と訓読を用いる。
はんせきほうかん【版籍奉還】
各藩主が、領地と領民を朝廷に返還した政治改革。明治二年、木戸孝允きどたかよし、大久保利通おおくぼとしみちらの画策で、薩摩さつま長州・土佐・肥前佐賀の各藩主が奉還し、他の藩もこれにならった。▽「版籍」は版図と戸籍。転じて、領地とその人民のこと。「奉還」はお返しする意。「版」は「藩」とも書く。
めっしほうこう【滅私奉公】
私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと。▽「滅私」は私利私欲を捨てること。「奉公」は国や社会などの公、または、主人や主君・上位の者などに自分の身をささげて尽くすこと。
らんしんぞくし【乱臣賊子】
国に害を与える悪い家臣と、親の心に背いて悪事をはたらく子供。人の踏み行うべき道に外れ、悪事をはたらく者の意。▽「乱臣」は主君の恩情に背き国を乱す家臣のこと。主君に反逆する家来。「賊子」は親不孝なことをして、悪い道に入ってゆく子供の意。