くんしふき【君子不器】
器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。一般に「君子くんしは器きならず」と訓読を用いる。
けんにんかけつ【堅忍果決】
強い意志で堪え忍び、いったん決めると思い切って断行すること。また、そのような性質。▽「堅忍」は意志がきわめて強く、じっと堪え忍ぶこと。我慢強いこと。「果決」は思い切って事を行うこと。
けんにんしっちょく【堅忍質直】
何事にも我慢強く堪え忍び、飾り気がなくまっすぐな気性をしているさま。また、その性質。▽「堅忍」は意志がきわめて強く、じっと堪え忍ぶこと。我慢強いこと。「質直」は飾り気がなくまっすぐな気性。地味で正直なさま。「質」は質朴、飾り気がないの意。
ごうきぼくとつ【剛毅木訥】
心が強く、しっかりしていて飾り気のないさま。▽「剛毅」は気性が強く屈しないさま。意志が強く物事にくじけないさま。「木訥」は無口で飾り気がないさま。無骨なさま。「木訥」は「朴訥」「朴吶」とも書く。
しゅうふうさくばく【秋風索莫】
秋風が吹き、物さびしいさま。盛んであった物事の勢いが衰えて、物さびしいたとえとしても用いられる。▽「索莫」は物さびしいさま。また、失意のさま。「莫」は「寞」「漠」とも書く。
ぜんちぜんのう【全知全能】
知らないことは一つもなく、できないことは何もないということ。すべてのことを知り尽くし、行える完全無欠の能力のこと。▽「知」は物事の本質を見通す力。「能」は物事を成し遂げる力。神の力を「全知全能」とたとえる。「知」は「智」とも書く。
そういくふう【創意工夫】
今までだれも思いつかなかったことを考え出し、それを行うためのよい方策をあれこれ考えること。▽「創意」は新しい思いつき、今まで考え出されなかった考え。「工夫」は物事を実行するために、よい方策をあれこれひねり出すこと。
そうこうのつま【糟糠之妻】
貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻。▽「糟糠」は酒かすと米ぬか。貧しい食事の形容。「糟糠の妻は堂より下さず」とも常用される。貧しさを共にしてきた妻は、自分が富貴になっても大切にするという意。
ぞうじてんぱい【造次顛沛】
とっさの場合。あわただしいとき。また、わずかの時間。▽「造次」は事が急に起こってあわてるとき。また、わずかの間。「造」は、にわかの意。「顛沛」は逆さまにひっくりかえる。また、つまずく意。比喩ひゆ的に用いられて、とっさのときのこと。
たくこきめい【託孤寄命】
父に死なれ、幼くして即位した君主の補佐を頼み、国政をゆだねられる重臣のこと。国の大事を信頼してまかせること。また、それができる人のこと。▽「託」は頼む、ゆだねる。「孤」は父をなくした者。「託孤」は孤児を頼む意。「寄命」は政治をゆだねること。「孤こを託たくし命めいを寄きす」と訓読する。