ばんのういっしん【万能一心】
何事をするにも、心を集中してしなければならないということ。また、あらゆる技芸をこなせても、真心が欠けていれば、何の役にも立たないということ。万能よりも真心が大切なことをいう。また、真心をこめてする意に用いられることもある。▽「万能足りて一心足らず」の略。「万」は「まん」とも読む。
ひそうせんぱく【皮相浅薄】
物事の見方や考え方がうわべだけで、浅く不十分なさま。▽「皮相」はうわべ・上っ面・表面。「浅薄」は浅くて薄っぺらなさま、浅はかなさま。「浅薄皮相せんぱくひそう」ともいう。
ふうりゅういんじ【風流韻事】
自然に親しみ、詩歌を作って遊ぶこと。また、詩歌を作ったり、書画を書いたりする風雅な遊びの意。▽「風流」は優雅な趣のあること。「韻事」は詩歌や書画などの風流な遊び。
ふうりんかざん【風林火山】
戦いにおける四つの心構えを述べた語。風のように素早く動いたり、林のように静かに構えたり、火のような激しい勢いで侵略したり、山のようにどっしりと構えて動かない意。転じて、物事の対処の仕方にもいう。時機や情勢などに応じた動き方。▽「其その疾はやきこと風の如ごとく、其の徐しずかなること林の如く、侵掠しんりゃくすること火の如く、動かざること山の如し」の略。戦国時代の武将、武田信玄たけだしんげんが旗に大書し、旗印に用いたことで有名。
ふこうふしょく【不耕不織】
生産的な仕事をしないこと。また、そのような身分をいう。武士。田を耕さず、機はたを織らない意から。▽「耕」は耕す。「織」は機を織ること。「耕」「織」のそれぞれに打ち消しの意の「不」を添えた語。
むいむのう【無為無能】
意義のあることをやりもしないし、できもしないこと。何もできないこと。行うこともやり遂げる力もないということ。へりくだるときにも用いられる。▽「為」は行うこと、行為。「能」は物事をやり遂げる力。
むざんむき【無慙無愧】
悪事を働いても、それを恥じることなく平気でいること。▽仏教語。「無慙」は自分の犯した罪を、仏の教えを破りながらもそれを恥じない心。「無愧」は自分の罪を他人に対して恥じない心のこと。「慙はじること無なく愧はじること無なし」と訓読する。「慙」は「残」とも書く。
ゆうじゅうふだん【優柔不断】
ぐずぐずして、物事の決断がにぶいこと。また、そのさま。▽「優柔」はぐずぐずしているさま。
らいらいらくらく【磊磊落落】
心が大きく、些細ささいなことにこだわらないさま。▽小事にこだわらず、さっぱりしている意の「磊落」のそれぞれの語を重ねて、意味を強調した語。
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。