しょうこいんめつ【証拠隠滅】
事実・真実を明らかにするよりどころとなる物事をなくすこと。▽「隠滅」はあとかたもなく隠したり、消したりすること。「隠滅」は、もと「湮滅」または「堙滅」と書いたが、法令などで「隠滅」と書き換えたものが一般化した。
しょうしゃくしゅくりつ【銷鑠縮栗】
がっかりしたり、恐れたりして逃げ去ること。気分が沈み込んだり、恐怖でおびえたりするさま。
しんちんたいしゃ【新陳代謝】
古いものがだんだんなくなって、新しいものに入れ代わること。また、生物が生活の持続のために、体内に必要なものを取り入れ、不必要なものを体外に排出する作用をいう。組織の若返り。▽「陳」は古の意。「代謝」は代わり来たり辞し去る意で、新しいものが来て交代し、古いものが辞し去ること。「謝」は衰える、しぼむ意。また、去の意。
そくてんきょし【則天去私】
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を捨て去ること。夏目漱石そうせきが晩年に理想とした境地を表した言葉で、宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。「天てんに則のっとり私わたくしを去さる」と訓読する。
とそううひ【兎走烏飛】
歳月のあわただしく過ぎ去るたとえ。月日の速く過ぎるたとえ。▽「烏」は日(太陽)、「兎」は月を意味し、転じて、月日・歳月のたとえ。太陽に三本足のからすがすみ、月にうさぎがすむという中国古代の伝説による。「烏飛兎走うひとそう」ともいう。
にっきょげっしょ【日居月諸】
君臣、君主とその夫人、父と母などのたとえ。また、月日が流れ去ること。▽「居」「諸」はともに句末に置いて語調を整える字。「日よ月よ」と呼び掛けている。「日」と「月」は、ともに天に輝き下界を照らしていることから、君主と夫人にたとえられる。のち、日付の月日の意味をもたせるようになった。一般に「日ひや月つきや」と訓読を用いる。
はいしんきぎ【背信棄義】
信用と道義を守らないこと。信頼に背き、道義を捨て去ること。▽「背信」は信頼を裏切ること。「背」はそむく意。「棄義」は義を捨てる。人として行うべき道理を捨て去ること。「信しんに背そむき義ぎを棄すつ」と訓読する。
はらてきけつ【爬羅剔抉】
隠れた人材を、あまねく求めて用いること。また、人の欠点や秘密をあばき出すこと。つめでかき集め、えぐり出す意から。▽「爬」はつめなどでかき寄せる、「羅」は網で鳥を残らず捕る意。「剔」「抉」はともに、そぎ取る、えぐり取る意。「爬羅」があまねく人材を求めることで、「剔抉」が悪い者を除き去る意とする説もある。
ふしょうふげい【不将不迎】
過ぎたことをくよくよと悔やんだり、まだ来ない先のことを、あれこれ悩んだりしないこと。去るものを送ったり、来るものを迎えたりしない意から。▽「将」は送る意。「将迎」は送り迎えの意で、「将」「迎」それぞれに打消しの「不」を添えた語。「将おくらず迎むかえず」と訓読する。
らいとううんぽん【雷騰雲奔】
現れたかと思うと、すぐに去ってしまうたとえ。また、わずかな間もとどまることなく、かなたへ過ぎ去っていくたとえ。雷が鳴り響き、雲が急速に流れる意から。▽「雷騰」は雷がわき起こること。「雲奔」は雲が流れ去ること。「奔」は走る意。