いはつそうでん【衣鉢相伝】
教法や奥義を伝え継承すること。弟子が師の教えを受け継ぎ伝えること。今では広く先人の事業や業績を継ぐことにもいう。▽もと仏教語。「衣鉢」は三衣さんねと一鉢で、「衣」は袈裟けさ、「鉢」は托鉢たくはつのとき施し物を受ける鉢のこと。師から教えを受けるとき、この法具を用いることから、転じて奥義、師から伝えられた教えの意。「相伝」は受け伝えること。「衣鉢」は「いはち」「えはつ」とも読む。
さんそうにもく【三草二木】
法華七喩の一。「法華経」薬草喩品に説くたとえで、薬草に大中小、木に大小の不同はあるが、雨の恵みを等しく受けて育って薬用となるように、人に能力・素質の違いはあっても仏の教化を受けることで悟りに入り...
ざんぱいれいしゃ【残杯冷炙】
ひどい待遇や冷たい扱いをされること。恥辱や屈辱を受けるたとえ。貧しい食事や食べ残しで接待されるような屈辱を受けること。
じごうじとく【自業自得】
自分の行いの報いを自分が受けること。一般には悪い報いを受ける場合に用いる。もとは仏教の語で、自分のした善悪の行為で、みずから苦楽の結果を招き受けること。▽「業」は行為。
じごしょうだく【事後承諾】
関係者の承諾を必要とする行為を、時間的な事情などで承諾を受けずに行ったとき、事がすんだあとで、それについての承諾を受けること。
せっけんおうたい【接見応対】
(高位の人が)人を迎え入れて受け答えすること。また、面会したときの相手への受け答え、対応の仕方。▽「接見」は高位の人が人を迎え入れて会うこと。「応対」は相手の話を聞き、受け答えすること。
ちそくふじょく【知足不辱】
自分の分ぶんを知り、それで満足をすれば辱めを受けないということ。▽「知足」は足ることを知る意。分をわきまえて欲をかかないこと。「不辱」は恥辱を受けないということ。一般に「足たるを知しれば辱はずかしめられず」と訓読を用いる。
とうじょうしゅうこ【蹈常襲故】
従来のしきたりや方法を受け継いで、そのとおりに物事を執り行うこと。▽「蹈」は踏む。踏み行う。「襲」は受け継ぐ意。「常つねを蹈ふんで故こを襲おそう」と訓読する。略して「蹈襲」という。現代表記では「踏襲」。
どうちょうとせつ【道聴塗説】
知識などの理解がいい加減で、しっかり自分のものになっていないこと。また、根拠のない伝聞、受け売りの意。▽「塗」は「道」と同じで道路のこと。道でたまたま聞き知ったことを、また道で得意そうに、人に話し伝えること。「道みちに聴ききて塗みちに説とく」と訓読する。
へんりきょうせい【片利共生】
ともに生きていながら、一方は利益を受けるが、他方は利益も害も受けないこと。樹木とその樹皮につく地衣類の関係など。▽「共生」はともに生活すること。また、異種の生物が一緒に生活をすること。「生」は「棲」とも書く。