きいんせいどう【気韻生動】
芸術作品に気高い風格や気品が生き生きと表現されていること。また、絵画や他の芸術作品などに、生き生きとした生命感や迫力があり、情趣にあふれていること。▽「気韻」は書画など芸術作品にある気高い趣。気品。「生動」は生き生きとしているさま。また、生き生きとして真に迫ること。中国六朝りくちょう時代、南斉なんせいの人物画の名手謝赫しゃかくが、『古画品録』の中で画の六法の第一に挙げたのに始まるといわれる。
きめんぶっしん【鬼面仏心】
表面は怖そうだが、内心はとてもやさしいこと。また、そのような人。鬼のように怖そうな顔に、仏のようなやさしい心の意から。
きょうかすいげつ【鏡花水月】
はかない幻のたとえ。目には見えるが、手に取ることのできないもののたとえ。また、感じ取れても説明できない奥深い趣のたとえ。詩歌・小説などの奥深い味わいのたとえ。本来は、鏡に映った美しい花と水に映った美しい月の意。それらは目には見えても見るだけで、実際に手に取ることができないことからいう。▽「水月鏡花すいげつきょうか」ともいう。「鏡花水月法」はその物事をあからさまに説明しないで、しかもその物事の姿をありありと読者に思い浮かばせる表現方法。
ぎしんあんき【疑心暗鬼】
疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえ。疑いの深さからあらぬ妄想にとらわれるたとえ。疑いの心をもっていると、いもしない暗闇くらやみの亡霊が目に浮かんでくる意から。▽「疑心」は疑う心。「暗鬼」は暗闇の中の亡霊の意。「疑心暗鬼を生ず」の略。「暗」は「闇」とも書く。
くんしのきゅうし【君子九思】
君子である者が思い心がけるべき九つのこと。物を見るときは細かいところまでしっかり見る、話を聞くときは正確に聞く、表情は穏やかにする、身ぶりはつつましくする、物をいうときには真心をこめる、仕事は慎重にする、疑問を感じたら質問する、怒るときはその結果生じる難事・難題を考える、利益についてはそれが正当かどうか考えて善悪を吟味する、の九つのこと。
こうせいかい【後生可畏】
若者は、今は未熟でも来るべき時代の息吹いぶきを敏感に感じ取り、将来の大きな可能性を秘めているから、侮ってはならず、むしろおそれ敬うべきであるということ。▽「後生」は自分より後から生まれてきた者。また、若者・後輩。一般に「後生こうせい畏おそる可べし」と訓読を用いる。
こんじゃくのかん【今昔之感】
今と昔を思い比べて、その変化の大きさをしみじみと感じること。
ごんごどうだん【言語道断】
言葉に表せないほどあまりにひどいこと。とんでもないこと。もってのほか。もと仏教の語で、奥深い仏教の真理や究極の境地は言葉では言い表せない意から。▽「言語」は言葉に出して表すこと。「道断」は言うことが断たれること。「道」は口で言うこと。また、「言語の道が断たれる」意ともいう。
ざんこうしょうふく【残膏賸馥】
高貴な人物やすぐれた詩文のこと。その残り香や、余り物にさえ、すばらしさが感じられること。
しせきせんり【咫尺千里】
近くにいても、互いに気持ちが通じなければ、千里も遠く離れているように感じられるということ。