いちじょうのしゅんむ【一場春夢】
人生の栄華が、きわめてはかなく消えてしまうことのたとえ。ひとときだけの短い春の夜に見る夢の意から。▽「一場」はその場かぎり、ほんのわずかの短い間の意。
いちもうだじん【一網打尽】
ひと網であたりのすべての魚や鳥獣などを捕らえること。転じて、犯人などをひとまとめに捕らえること。▽『呂氏春秋りょししゅんじゅう』異用いようにある、四面に網を張り、四方からの獲物をすべて捕らえようと祈っている呪師じゅしの故事を踏まえたものか。「打尽」はここでは捕り尽くす意。「打」は動詞の上につけて動作を表す助字。「…する」の意。
いちようらいふく【一陽来復】
冬が終わり春が来ること。新年が来ること。また、悪いことが続いた後で幸運に向かうこと。陰の気がきわまって陽の気にかえる意から。▽もと易えきの語。陰暦十月は坤こんの卦かにあたり、十一月は復の卦にあたり、陰ばかりの中に陽が戻って来たことになる。「復」は陰暦十一月、また、冬至のこと。
ししょごきょう【四書五経】
中国の代表的な古典の総称で、儒教で経典として尊ばれたもの。▽「四書」は儒教の根本教典とされる『大学だいがく』『中庸ちゅうよう』『論語ろんご』『孟子もうし』。「五経」は儒教の教典のうち重要な『易経えききょう』『詩経しきょう』『書経しょきょう』『礼記らいき』『春秋しゅんじゅう』の五種の書。「五経」については時代により異なる。
しゅんしゅうしゅうし【春愁秋思】
春の日にふと感じる物悲しさと、秋にふと感じる寂しい思い。よい気候のときに、なんとなく気がふさぐこと。また、いつも心のどこかに悲しみや悩みがあること。▽「春愁」は春の日のもの思い、春に感じる哀愁、「秋思」は秋の寂しいもの思いの意。
らっかていちょう【落花啼鳥】
自然の趣や詩情。花は散り、鳥は山中で鳴いているという、晩春の寂しげな自然の風景のこと。
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。
りゅうりょくかこう【柳緑花紅】
美しい春の眺めの形容。また、本来の自然のままで手を加えていないこと。
ろうしやしん【狼子野心】
《「春秋左伝」宣公四年から。狼(おおかみ)の子は飼われていても、生来の野性のために飼い主になかなかなれない意から》人になれ従わず、ともすれば危害を加えようとする心。
ろはんのうんてい【魯般雲梯】
中国春秋時代、魯ろの名工魯般ろはんが作った、雲まで届くような高いはしご。