けいこうぎゅうご【鶏口牛後】
大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ。▽「寧むしろ鶏口と為なるも、牛後と為なる無なかれ」の略。「鶏口」は鶏の口(くちばし)。弱小なものの首長のたとえ。「牛後」は牛の尻。強大なものに隷属する者のたとえ。
けいせいさいみん【経世済民】
世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと。また、そうした政治をいう。▽「経」は治める、統治する。「済民」は人民の難儀を救済すること。「済」は救う、援助する意。「経世済民」を略して「経済」という語となった。
けいだくかしん【軽諾寡信】
軽々しく物事を引き受ける者は約束を守らないことが多く、信用できないということ。▽「軽諾」は気軽に引き受けること。安請け合い。「寡信」は信用が少ない意で、信用できないこと。「軽諾は必ず信寡すくなし」の略。
けんぼうじゅっすう【権謀術数】
巧みに人をあざむく策略のこと。▽「権謀」はその場に応じた策略。「術数」ははかりごと・たくらみ。
げっかひょうじん【月下氷人】
縁結びの神。転じて、男女の縁の仲立ちをする人。仲人なこうど。媒酌人。▽略して「氷人」ともいう。
こうどうきちにち【黄道吉日】
すべてのことをするのによい日。日柄のよい日。星占いの説で、青竜・明堂など六辰りくしん(六つの星で吉の神)が当たる日をいい、何をするにも吉であるとされる。わが国の陰陽道おんようどうでもいう。▽「黄道」は地球から見て、太陽が運行するように見える軌道。「吉日」は「きちじつ」「きつじつ」「きつにち」とも読む。略して「黄道日こうどうじつ」ともいう。
ごくらくおうじょう【極楽往生】
死んだ後に極楽浄土に生まれ変わること。また、安らかに死ぬこと。▽仏教語。「極楽」は「極楽浄土」の略。西方に向かって十万億土を過ぎた彼方にあって、阿弥陀仏あみだぶつがいるとされるまったく苦しみのない安楽の世界。「往生」は死ぬこと。「往生極楽おうじょうごくらく」ともいう。
ごふうじゅうう【五風十雨】
世の中が平穏無事であるたとえ。気候が穏やかで順調なことで、豊作の兆しとされる。五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降る意から。▽出典の「五日にして一ひとたび風ふき、十日にして一たび雨ふる」の略。
ごんぐじょうど【欣求浄土】
極楽浄土に往生することを心から願い求めること。▽仏教語。「欣求」は喜び求める、積極的に願い求めること。「浄土」は極楽浄土の略。
さんぜんせかい【三千世界】
全宇宙、この世のすべて。仏教でいう世界観で、須弥山しゅみせんを中心に、周囲に四大洲があり、その周りに九山八海があり、われわれの住む小世界を形成し、この一つの世界を千合わせたものを小千世界、小千世界を千合わせて中千世界、さらに中千世界を千合わせて大千世界。この大千世界は千が三つ重なるので三千大世界、略して三千世界という。この三千世界が一仏の教化の及ぶ範囲とされた。俗に世間の意に用いられることもある。