きゅうねんるいせい【窮年累世】
自分の一生から孫子の代までも。▽「窮年」は人の一生涯。「累世」は子々孫々の意。「年としを窮きわめ世よを累かさぬ」と訓読する。
きんじょうてんか【錦上添花】
善美なものの上に、さらに善美なものを加えること。本来、美しい錦にしきの上に、さらに美しい花を添える意。よいもの、美しいもの、めでたいことなどが重なることに用いる。▽「錦」は美しい綾織物あやおりもの。一般に「錦上きんじょうに花はなを添そう」と訓読を用いる。
ぐんぎまんぷく【群疑満腹】
心が多くの疑問でいっぱいになること。また、多くの人がみな疑いの心を抱くこと。▽「群」は多いこと。また、多くの人の意。「群疑ぐんぎ、腹はらに満みつ」と訓読する。
さんこうすいちょう【山高水長】
山が高くそびえ、川が長く流れるさま。高潔な人の功績や徳望が崇高で、長く人に仰がれることの形容。また、人の品性が高大で高潔なことの形容に用いられることもある。▽「山高」は山がどっしり高くそびえる意で、功績や徳望の高さを人から仰がれるたとえ。「水長」は川の水が絶えることなく流れる意で、長く尽きることのないたとえ。「山やまのごとく高たかく水みずのごとく長ながし」と訓読する。
しかいふくねん【死灰復然】
一度衰えた勢力が再び盛り返すたとえ。また、一度おさまった事が再発することのたとえ。火の気が消えて冷たくなった灰が、再び燃え出す意から。▽「然」は「燃」と同じで、燃える、燃え上がる意。「然」は「燃」とも書く。「死灰しかい復また然もゆ」と訓読する。
しんこういらん【心慌意乱】
あわてて心が乱れ、何がなんだか分からなくなってしまう状態。▽「心慌」はあせりあわてること。「意乱」は心が入り乱れて混乱すること。「心こころ慌あわただしく意い乱みだる」と訓読する。
しんしけいしゅう【慎始敬終】
物事を、最初から最後まで気を抜かず、手抜きもせずにやり通すこと。▽「慎」も「敬」も注意深く行う意。一般に「始はじめを慎つつしみ、終おわりを敬つつしむ」と訓読を用いる。
じんしゃむてき【仁者無敵】
仁徳の備わった人は、すべての人を慈しむので敵というものがいないということ。仁徳者は慈愛をもって政治を行い、人民を分け隔てなく愛するから敵対する者がいない意。▽「仁者じんしゃは敵てき無なし」と訓読する。
じんしゃらくざん【仁者楽山】
仁徳の備わった人は、欲に動かされず心が穏やかでゆったりとしているので、おのずから安定したどっしりとした山を愛するものであるということ。▽「仁者じんしゃは山やまを楽たのしむ」と訓読する。
じんしょうてきく【尋章摘句】
つまらない些細ささいなことばかりにこだわって、広く全体を見通した、ものの見方ができないたとえ。▽「尋章」は文の一節のことを考えること。「摘句」は句を取り出す、重要な句を選び出すこと。文章や詩の一章一句の細かな部分に気をとられ、全体の意味や趣旨が理解できないという意から。「章しょうを尋たずね句くを摘つむ」と訓読する。