あんしゃほりん【安車蒲輪】
老人をいたわって、手厚くもてなすこと。また、賢人を優遇することにもいう。▽「安車」は座って乗るように仕立てた、蓋かさの低い老人や婦人の乗る小車。「蒲輪」は蒲がまの穂で車輪を包んで、振動をやわらげて乗り心地をよくしたもの。
いっかだんらん【一家団欒】
家族が集まり、楽しく談笑すること。▽「団」「欒」はともに丸い意で、「団欒」は丸く輪のようになって座る、集まってむつまじくする意。
けんまこくげき【肩摩轂撃】
人や車馬の往来が激しく、混雑しているさま。都会の雑踏の形容。人の肩と肩が触れ合い、車のこしきとこしきがぶつかり合うほど混雑している意から。▽「肩摩」は肩と肩が触れ合うこと。「轂」は車のこしき。車輪の中央部で車軸を通して回転するところ。「轂撃」は轂と轂がぶつかり合うこと。「轂撃肩摩こくげきけんま」ともいう。
こんりんならく【金輪奈落】
「金輪際こんりんざい」に同じで、物事の極限、きわまるところ。また、どこまでも、とことん。また絶対に、断じての意。▽仏教語。「金輪」は大地の下に三つの層(三輪)があり、風輪・水輪の上にあるとされる、大地のはるか下の金輪の底の意。「奈落」は地獄のこと。
さんがいむあん【三界無安】
この世は、苦労が多くて、少しも心が安まることがないということ。▽仏教語。「三界」は仏教の世界観で、衆生しゅじょうが生まれて、死に輪廻りんねする三つの領域、欲界よっかい色界しきかい無色界むしきかいのこと。「無安」は安穏さがない状態のこと。苦しみの多いこと。
さんがいるてん【三界流転】
生あるものは三界に生死を繰り返して、迷い続けるということ。▽仏教語。「三界」は仏教の世界観で、衆生しゅじょうが生まれて、死に輪廻りんねする三つの領域、欲界よっかい色界しきかい無色界むしきかいのこと。「流転」は迷い続けること。生まれ変わり、死に変わって迷い続けること。
しょうじじだい【生死事大】
生き死にの問題は重大であり、それをいかに超越するかが最大事であること。生死を繰り返す、この世の迷いを捨てて悟りを開くことは、いま生きているこの時しかなく、最も大切なことであるという。求法ぐほうの切なることをいう。▽仏教、特に禅宗の語。
てっぷのきゅう【轍鮒之急】
差し迫った危急や困難のたとえ。車の通った跡のくぼみにたまった水の中で、苦しみあえいでいる鮒ふなの意から。▽「轍」は車が通った後に残った車輪の跡、わだちのこと。
ばんりょくいっこう【万緑一紅】
あたり一面の緑の草むらの中に開く紅あかい花一輪の意で、平凡な多くのものの中に、一つだけすぐれたものがあること。また、特に多くの男性の中に一人女性がいること。また、その女性。
りんねてんしょう【輪廻転生】
人が生まれ変わり、死に変わりし続けること。▽仏教語。「輪廻」は車輪がぐるぐると回転し続けるように、人が何度も生死を繰り返すことを指す。「転生」は生まれ変わること。「転生輪廻てんしょうりんね」ともいう。