でんこうせっか【電光石火】
稲妻の光や石を打ったとき出る火の意から、動きが非常に素早いことのたとえ。また、非常に短い時間のたとえ。▽「電光」は稲妻の光、「石火」は火打ち石などを打つときに出る火の意。
でんこうちょうろ【電光朝露】
稲妻の光や朝の露の意。転じて、きわめて短い時間のたとえ。また、はかない人生やはかないもののたとえ。▽「電光」は稲妻、「朝露」は葉に宿る朝の露。稲妻は一時の光で、朝露は太陽が昇ればすぐに消えてしまうことからいう。
とうかせいせい【冬夏青青】
節操が堅く、常に変わらないことのたとえ。松やこのてがしわといった常緑樹は、色を変えることなく冬も夏も青々と茂っていることから。
とうざんこうが【東山高臥】
世俗を離れて、山野に隠れ住み、自由気ままに暮らすこと。隠居して出仕しないことのたとえ。隠遁いんとん。
とうしょうりふ【桃傷李仆】
桃が傷つき、兄弟分のスモモが倒れることから、兄弟が互いに反目して、相争うことのたとえ。
とうだいずいいち【当代随一】
現代で最もすぐれているということの形容。
とうろうのおの【螳螂之斧】
弱者が自分の力をわきまえず、強者に立ち向かうことのたとえ。▽「螳螂」はかまきり、「斧」はかまきりのかま。
ときこつらく【兎起鶻落】
野うさぎが巣穴から素早く走り出したり、はやぶさが急降下して獲物を捕らえたりする様子。転じて、書画や文章の勢いがあることのたとえ。▽「鶻」は、はやぶさ。
とくぎょぼうせん【得魚忘筌】
魚を捕ってしまうと、その道具の筌やなのことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。▽「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚うおを得えて筌せんを忘わする」と訓読を用いる。
としくほう【兎死狗烹】
うさぎが死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、煮て食べられてしまう意。戦時に活躍した武将は、ひとたび太平の世となると、用なしとして殺されてしまうことをたとえた言葉。また、後に広く、利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。▽一般に「兎うさぎ死しして狗いぬ烹にらる」と訓読を用いる。