あいきょうちょうそう【哀矜懲創】
懲罰を与えるには、相手を思いやる情が必要であること。罰はその罪を悔い改め、人生に新たな道を開くためのもので、悲しみ哀れみの心をもって行うべきことをいう。▽「哀矜」は悲しみ哀れむこと。「懲創」はこらしめること。
いちみととう【一味徒党】
同じ志や目的をもって仲間になること。また、その仲間。▽「一味」はほかの味を交えない一つの味の意から、平等・同一の意。また、志を同じくするという意から、仲間・同志をいう。「徒党」は事をもくろむために集まった仲間。悪い仲間をいうことが多い。
いちみどうしん【一味同心】
同じ目的をもって集まり、心を一つにすること。また、その仲間。▽「一味」はほかの味を交えない一つの味の意から、平等・同一の意。また、志を同じくするという意から、仲間・同志をいう。「同心」は志を同じくすること。また、その人々。
いってんばんじょう【一天万乗】
天子、また、天皇の意。▽「一天万乗の君」「一天万乗の天子」の略。「一天」は天下のすべて・天下中の意。「乗」は兵車、または兵を数える語。中国周代の制では兵車一乗には甲兵(武装した兵)三人、歩卒七十二人、輜重しちょう(荷物を運ぶ者)二十五人の合計百人がつく。「万乗」は兵車一万台の意で、それほどの軍隊を出せる領地をもっている人ということで、天子の意。
うそうむそう【有相無相】
仏語。姿・形をもっている存在と、姿・形によって現出させられた存在の本性。現象と真理。有象無象。
えんりょきんゆう【遠慮近憂】
遠い将来のことまで見通した深い考えをもたないでいると、必ず手近なところに身にさし迫った心配事が起こること。▽「遠慮」は先々まで見通した深い考え、配慮のこと。「近憂」は身近に迫った心配事の意。「遠き慮おもんぱかり無ければ、必ず近き憂うれい有り」の略。
おうどうらくど【王道楽土】
公平で思いやりのある政治が行われている平和で楽しいところ。▽「王道」は帝王として踏み行うべき道で、徳をもって、公明正大で公平な政治を行うこと。また、武力や威力によらず、仁徳のある帝王が、道徳によって天下を治めること。「楽土」は安楽な土地・安楽な国のこと。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
かいしんけんせい【開心見誠】
胸襟を開いて、誠意をもって人に接すること。また、心の底を打ち明けること。▽「開心」は心の中を開くこと。「見誠」は誠意をあらわすこと。「見」はあらわす、示す意。「心こころを開ひらいて誠まことを見あらわす」と訓読する。
がいじゅうないごう【外柔内剛】
外見は穏やかでやさしそうだが、心の中は何事にも左右されない強い意志をもっていること。外見は弱々しく見えるが、案外気の強いことにもいう。▽「柔」は穏やかなこと。おとなしいこと。「剛」は意志などが強いこと。「内剛外柔ないごうがいじゅう」ともいう。