えんぴぎょやく【鳶飛魚躍】
万物が自然の本性に従って、自由に楽しんでいることのたとえ。また、そのような天の理の作用のこと。また、君主の恩徳が広く及び、人々がその能力などによって、それぞれ所を得ているたとえ。鳶とびが空に飛び魚が淵ふちにおどる意から。▽「鳶とび飛とび魚うお躍おどる」と訓読する。
おうこらいこん【往古来今】
綿々と続く時間の流れ。また、昔から今まで。▽「往古」は過ぎ去った昔。「来今」は今から後。『淮南子えなんじ』斉俗訓せいぞくくんでは「往古来今、之これを宙と謂いい、四方上下、之を宇と謂う」とあり、時間と空間の限りない広がりをいっている。
かいししんろう【海市蜃楼】
蜃気楼しんきろうのこと。実体や根拠などがなく、むなしくうつろなもののたとえ。また、現実性のない考えなどのたとえ。▽「海市」「蜃楼」ともに蜃気楼の意。大気の密度などが異なることによって起こる光の異常屈折現象で、砂漠や海上の空中などで物体の像が実際とは違った場所に現れる現象。「蜃」はおおはまぐり。古代中国ではこれの吐き出す息で蜃気楼ができると考えられていた。「蜃楼海市しんろうかいし」ともいう。
かうんきほう【夏雲奇峰】
夏の青空に現れる入道雲のめずらしい峰の形のこと。
きそうてんがい【奇想天外】
普通では思いもよらない奇抜なこと。またそのさま。▽「奇想」は普通では思いつかない奇抜な考え。「天外」は、はるかかなたの空、思いもよらない所の意。「奇想天外より落おつ」の略。
きょくじつしょうてん【旭日昇天】
勢いがきわめて盛んなたとえ。朝日が勢いよく天空に昇る意から。▽「旭日」は朝日。「昇天」は天に昇ること。
くうくうじゃくじゃく【空空寂寂】
空虚で静寂なさま。執着や煩悩ぼんのうを除いた静かな心の境地。無心。転じて、何もなく静かなさま。また、思慮や分別のないさま。▽仏教語。「空」はこの世の有形・無形の一切のものは、固定した実体がないこと。「寂」はひっそりと静かな意。煩悩や執着のない静寂なあり方が本性であること。
くうくうばくばく【空空漠漠】
果てしもなく広いさま。また、とりとめもなくぼんやりしたさま。▽「漠漠」は広々としてはるかなさま。「空漠」を分けて、繰り返して強調した語。
くうぜんぜつご【空前絶後】
非常に珍しいこと、まれなこと。今までに例がなく、これからもあり得ないという意から。▽「空前」はこれまでにないこと。「絶後」は今後もありえないこと。
てんばこうくう【天馬行空】
天馬が大空を勢いよく駆け回るように、思想や行動などが自由なこと。また、文章などがのびのびとしているさま。