いちごうしょかん【一業所感】
仏語。人はいずれも、同一の善悪の業(ごう)ならば同一の果を得るということ。共業共果(きょうごうきょうか)。「—の身なれば、先世の芳縁も浅からずや」〈平家・三〉
こうぼくしかい【槁木死灰】
身も心も生気がまったくなく、何の働きもしないたとえ。無欲で無心なさま。▽「槁木」は枯れ木。からだが枯れ木のように静止して不動なことの形容。「死灰」は燃え尽きて、火の気のない灰。心が火の気のない灰のように無心なことの形容。いずれも生気や活気のないさま。
ごおんじょうく【五陰盛苦】
人間のからだや心を形成する五つの要素から生じる苦痛や苦悩のこと。
ごしょうさんじゅう【五障三従】
五障1と3種の忍従。ともに女性の身が負うという宿命的なもの。ごしょうさんしょう。→三従(さんじゅう)
ごじょくあくせ【五濁悪世】
末世。末法の世。五つの汚れに満ちた悪い世の意。▽仏教語。「五濁」は五つの汚れ。劫濁こうじょく(時代の汚れ。以下の四濁の起こる時代)・煩悩濁ぼんのうじょく(貪むさぼりや怒りなど人の浅ましさがはびこる)・衆生濁しゅじょうじょく(心身が弱く苦しみが多く、人の資質が低下する)・見濁けんじょく(誤った悪い思想・考え)・命濁みょうじょく(寿命が短くなり、最後には十歳になる)をいう。
さんじゅうしちさい【三汁七菜】
本膳料理の膳立ての一。三の膳付きの特に丁重なもの。本膳に一の汁・なます・煮物・飯・香の物、二の膳に二の汁・平皿・猪口(ちょく)、三の膳に三の汁・刺身・茶碗、向こう膳には焼き物をつける。
じきゅうじそく【自給自足】
必要とする物を他に求めず、すべて自分でまかない、足りるようにすること。自分で自分に供給し、自分を足らせ満たす意から。
むげいたいしょく【無芸大食】
特技や取り柄がないにもかかわらず、食べることだけは人並みであること。また、そのような人をさげすんでいう語。自分のことを謙遜けんそんしていう場合にも用いられる。▽「無芸」は芸や特技を何も身につけていないこと。「大食」はたくさん食べる人。大食い。
めっしほうこう【滅私奉公】
私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと。▽「滅私」は私利私欲を捨てること。「奉公」は国や社会などの公、または、主人や主君・上位の者などに自分の身をささげて尽くすこと。
れいていこく【零丁孤苦】
落ちぶれ貧窮して、周囲に助ける者もなく、孤独なこと。苦しい生活を送ること。▽「零丁」は落ちぶれて孤独なこと。「孤苦」は身寄りがなく、たいへん貧しいこと。中国晋しんの李密りみつが武帝から召されたとき、任官を辞退したい旨を上表した文の中の語。「孤苦零丁こくれいてい」ともいう。