1 寒さが厳しくなる。しんしんと冷え込む。「―・えた冬の夜」《季 冬》「―・ゆる夜の瓦 (かはら) 音ある礫 (こいし) かな/碧梧桐」
2 くっきりと澄む。はっきりと見える。「冬の夜空に星が―・える」
3 楽器の音などが、濁りがなく鮮明である。「―・えたバイオリンの音色」
4 色が鮮やかである。顔色や表情についてもいう。「―・えたピンク」「顔色が―・えない」
5 頭の働きやからだの調子などがはっきりする。「今日は頭が―・えている」「目が―・えて眠れない」「気分が―・えない」
6 腕まえや手際などが鮮やかで優れている。「腕の―・えた職人」「包丁さばきが―・える」
7 (多く打消しの語を伴って)ぱっとしない。満足できない。「景気の先行きがいまひとつ―・えない」「―・えないかっこう」
出典:青空文庫
・・・くすぶりもせずになお冴える、その白い二の腕を、緋の袖で包みもせずに・・・ 泉鏡花「菎蒻本」
・・・ラリと日和下駄の音の冴えるのが耳に入って、フと立留った。・・・ 泉鏡花「星あかり」
・・・沁み入る山颪はさっと冴える。三階にこの火の勢いは、大地震のあとでは・・・ 泉鏡花「眉かくしの霊」