《「かわわっぱ」の音変化》
1 水陸両生の想像上の動物。身の丈1メートル内外で、口先がとがり、頭上に皿とよばれるくぼみがあって少量の水を蓄える。背中には甲羅がある。人や他の動物を水中に引き入れて生き血を吸い、尻から腸を抜くという。かわっぱ・河太郎・川子・河伯 (かはく) 、その他異名が多い。
2 水泳のうまい人。また、泳いでいる子供。
3 子供の髪形の一。髪を結ばず耳の辺りまで垂らして下げ、下を切り落としたもの。江戸時代には頭の頂上を丸く剃ったことからこの名がある。→御河童 (おかっぱ)
芥川竜之介の小説。昭和2年(1927)発表。河童の国を見たと信じる精神病患者の妄想を借りて、社会や作者自身を辛辣に戯画化した作品。
出典:青空文庫
・・・すると、――僕が河童というものを見たのは実にこの時がはじめてだっ・・・ 芥川竜之介「河童 」
・・・葉が大童で、真中所、河童の皿にぴちゃぴちゃと水を溜めて、其処を、・・・ 泉鏡花「海の使者 」
・・・絵に描いた河童そっくりだ。」 と、なぜか急に勢づいた。 絵そら事・・・ 泉鏡花「貝の穴に河童の居る事 」