手柄功績。こう。

「この頃のわが恋力 (こひぢから) 記 (しる) し集め—に申さば五位の冠 (かがふり) 」〈・三八五八〉

[名]
  1. 天と地との間。大空 (おおぞら) 。空間。「—を切る」「—をつかむ」

  1. (梵)śūnyaの訳。うつろであること、ない、の意》仏語。すべての事物はみな因縁によってできた仮の姿で、永久不変の実体や自我などはないということ。

  1. 空軍」の略。「陸海—」

[名・形動]
  1. 何も存在しないこと。また、そのさま。うつろ。

    1. 「彼は—な懐 (ふところ) をひろげて」〈藤村

  1. 事実でないこと。よりどころのないこと。また、そのさま。

    1. 「決して自己弁護の—な言草じゃあない」〈里見弴・今年竹〉

  1. 無益なこと。また、そのさま。むだ。「今までの努力が—に帰した」

[動ハ上二]《「くゆ」の音変化》「悔いる」に同じ。
  • 「此れを—・ふる心なくして」〈今昔・一四・二七〉
[補説]近世には「先非を悔うた所に」〈虎明狂・膏薬煉〉のようにハ行四段活用(連用形ウ音便)とみられる例もある。

[動ワ五(ハ四)]

  1. 食物をかんでのみ込む。食べる。「飯を—・う」

  1. 生活をする。暮らしを立てる。「こんな薄給では—・っていけない」

  1. 口で物をしっかり捕らえる。食いつく。「えさを替えたら魚がよく—・う」

  1. 虫などがかじって物を傷める。また、虫などがからだを刺す。「衣魚 (しみ) の—・った書籍」「蚊に—・われる」

  1. しっかりと間に挟む。また、縄状のものが物にめり込む。「ファスナーに布地が—・われる」

  1. 金銭時間などがかかる。費やす。「この車はガソリンを—・う」「手間ひま—・う仕事

  1. (「年をくう」の形で)かなりの年齢になる。「いたずらに年を—・うばかりだ」

  1. 他の勢力範囲・領域に入り込む。侵す。「縄張りを—・う」

  1. スポーツなどで、強い相手を負かす。「強敵を—・う」

  1. 10 演劇映画などで、ある俳優の演技が勝っていて共演者をしのぐ。「脇役に—・われる」

  1. 11 他から、ある行為、特に望ましくない行為を受ける。こうむる。「門前払いを—・う」「お目玉を—・う」「肩すかしを—・う」

  1. 12 (「人をくう」の形で)ばかにする。侮る。「人を—・った態度

  1. 13 自分の利益のために、だまして人を利用する。食い物にする。「タレント志望少女たちを—・う芸能プロダクション」

  1. 14 演劇で、上演台本の一部を省略する。カットする。

  1. 15 口で軽く挟んで物を支える。くわえる。ついばむ。

    1. 「春霞流るるなへに青柳の枝—・ひ持ちてうぐひす鳴くも」〈・一八二一〉

  1. 16 かみつく。歯をたてる。

    1. 「指 (および) ひとつを引き寄せて—・ひてはべりしを」〈・帚木〉

  1. 17 薬などを飲む。

    1. 「つとめて—・ふ薬といふもの」〈かげろふ・中〉

[補説]現代語では、食する意では「食う」がぞんざいで俗語的とされ、一般に「食べる」を用いる。しかし、複合語・慣用句では「食う」が用いられ、「食べる」とは言い換えができないものもある。「たべる(たぶ)」はもともと謙譲丁寧な言い方であったが、敬意がしだいに失われ通常語となった。
[可能]くえる
[動ハ四]鳥が巣を作る。→巣くう
  • 「つくの穴ごとに燕 (つばくらめ) は巣を—・ひ侍る」〈竹取
[動ワ下二]蹴 (け) る」の古形
  • 「—・ゑ散 (はらら) かす」〈神代紀・上〉
[補説]「馬の子や牛の子にくゑさせてん」〈梁塵秘抄・二〉、「蹴 化ル」〈類聚名義抄〉などの例から、平安末期には下二段活用が下一段化していたかと思われる。また、同じ下一段活用でもクヮ行下一段「くる」で、のちに直音化して「ける」になり、カ行下一段となったとする説もある。

出典:青空文庫

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