へんげんじざい【変幻自在】
現れたり消えたり変化したりが、自由自在であるさま。思いのままに変化するさま。また、変わり身が早いさまにも用いる。▽「変幻」は幻のように素早く現れたり消えたりすること。
へんぼうかんきゃく【偏旁冠脚】
漢字を構成する部分の名称。▽左にある部分が「偏へん」、右にある部分が「旁つくり」、上にある部分が「冠かんむり」、下にある部分が「脚あし」。このほかには「垂たれ」「構かまえ」「繞にょう」などの構成部分があるが、これらの総称としても用いられる。
べいえんはくべん【米塩博弁】
議論が詳細かつ多方面にわたって交わされること。また、その議論。また、些末さまつなことをくだくだと話すこと。▽「米」「塩」は、ともに細かく小さな粒であることから、非常に細かいもののたとえ。「博」は広い、多方面の意。
べんせいしゅくしゅく【鞭声粛粛】
相手に気づかれないように、静かに馬に鞭むち打つさま。▽頼山陽らいさんようの詩句「鞭声粛粛夜よる河かわを渡わたる」とあるのが有名。これは川中島の戦いで上杉謙信うえすぎけんしんが武田信玄たけだしんげんの機先を制すべく、夜に妻女山さいじょざんを下って、敵に気づかれないように馬にあてる鞭の音も静かに、千曲川ちくまがわを渡ったことを詠んだもの。
ほういせんたい【縫衣浅帯】
袖そでの下から両わきを縫い合わせた服と広い帯。儒者の服。転じて、儒者・学者・文人のこと。▽「縫衣」は縫腋ほうえき縫掖ほうえきのことで、袖の下から両わきを縫いつけた服。「浅帯」は広い帯。帯が広いと服に食い込むのが浅いことからいうが、諸説ある。「縫」は「逢」とも書く。
ほうがんびいき【判官贔屓】
弱者や薄幸の者に同情し、味方したり応援したりすること。また、その気持ち。▽「判官」は官職の名で、ここでは検非違使けびいしの尉じょう(判官)の職にあった源義経みなもとのよしつねのこと。「贔屓」は目をかけること。源義経が兄の頼朝よりともにねたまれて滅んだことに、人々が同情を寄せたことからいう。「判」は「はん」とも読む。
ほうたんしょうしん【放胆小心】
文章を書くとき、初めは思い切って大胆に表現して書くのがよく、ある程度習熟してからは細かい点に注意を払って、よく字句を練るのがよいこと。また、この二つの文体。▽「放胆」は修辞や文法の規則からは、少しはずれても思い切って大胆に表現すること。また、その文。「小心」は細かい点に注意を払って、よく字句を練ること。また、その文。
ほうていばんり【鵬程万里】
はるか遠くへだたった旅路・道程のたとえ。また、限りなく広がる大海の形容。前途が洋々たることの形容に用いられることもある。▽「鵬」は想像上の巨大な鳥。おおとり。背中の大きさは何千里あるかわからず、つむじ風を起こして九万里の上空に飛び上がるという。「程」は道程の意。「万里鵬程ばんりほうてい」ともいう。
ほうとうこうめん【蓬頭垢面】
身だしなみに無頓着むとんちゃくで、むさくるしいこと。また、疲れ切った貧しい様子。乱れた髪と垢あかまみれの顔の意から。▽「蓬頭」はよもぎのような、ぼさぼさに乱れた髪。「蓬」はよもぎの意。「垢面」は垢まみれの顔。「垢」は「く」とも読む。
ほうねんまんさく【豊年満作】
作物が豊かに実って、収穫の多いこと。▽「豊年」は穀物がよく実ること。また、そうした年。「満作」は作物が十分に実ること。