いっとくいっしつ【一得一失】
一方で利益があると、他方で損失があること。利益と損失がともにあるたとえ。また、物事にはよい面と悪い面がともにあるたとえ。▽「一失一得いっしついっとく」ともいう。
いっぱんせんきん【一飯千金】
わずかな恵みにも厚い恩返しをするたとえ。一膳いちぜんの食事のようなわずかな恵みにも、千金に値する恩がある意から。
いふうどうどう【威風堂堂】
態度や雰囲気に威厳が満ちあふれて立派なさま。周囲を圧するような威厳があって、おかしがたいさま。気勢が非常に盛んな形容。▽「威風」は威厳に満ちるさま。また、威厳があって、おかしがたいさま。「堂堂」は立派で力強いさま。
いへんさんぜつ【韋編三絶】
何度も繰り返し、熱心に本を読むことのたとえ。また、学問に熱心なことのたとえ。▽「韋編」は文字を書いた木札(木簡という)や竹の札(竹簡という)を皮のひもで綴つづった古代中国の書物。「三絶」は三度断ち切れる意。また、何度も断ち切れる意。「三」は三度の意と数の多いことを表す場合とがある。「韋編いへん三みたび絶たつ」と訓読する。
いぼくのしん【移木之信】
政治を行うものは、人民から信頼されるにたる人物であることを明らかにすべきであるということ。転じて、約束を実行することのたとえ。
いみしんちょう【意味深長】
人の言動や詩文などの表現に、非常に深い趣や含蓄のあるさま。また、表現の表面にあらわれた意味のほかに、別の意味が含まれているさま。後者は俗に略して「意味深いみしん」ともいう。▽「深長」は奥深くて含蓄のあるさま。
いるいちゅうぎょう【異類中行】
仏が衆生しゅじょうを救うために、迷いの世界である俗世に身を投じること。また、禅僧が修行者を導くために、いろいろな方法を用いること。▽仏教語。「異類」は全く別のものの意。「異類の中を行く」という意。
いろどうき【異路同帰】
異なった方法でも、同じ結果になるたとえ。道筋はそれぞれに違っても、行きつく先は同じである意から。▽「路」は道。方法のたとえ。「帰」は帰着。目的のたとえ。「路みちを異ことにして帰きを同おなじうす」と訓読する。
いんかんふえん【殷鑑不遠】
身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。また、自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。▽「殷」は古代中国の国の名。「鑑」は鏡で、手本の意。中国の古代王朝は夏(商ともいう)から始まり、殷、周と続く。殷王朝の戒めとなるよい見本は遠くに求めなくても、すぐ前代の夏王朝の暴政による滅亡があるという意。戒めとなる失敗の前例は遠くに求めずとも、身近にあるからこれを戒めとせよということ。一般に「殷鑑いんかん遠とおからず」と訓読を用いる。
いんがおうほう【因果応報】
人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。▽もと仏教語。行為の善悪に応じて、その報いがあること。現在では悪いほうに用いられることが多い。「因」は因縁の意で、原因のこと。「果」は果報の意で、原因によって生じた結果や報いのこと。