ちそくあんぶん【知足安分】
高望みをせず、自分の境遇に満足すること。▽「知足」は足ることを知る意。分ぶんをわきまえて欲をかかないこと。「安分」は自分の境遇・身分に満足すること。「足たるを知しり分ぶんに安やすんず」と訓読する。
とうにんこんじょう【盗人根性】
盗みをするような者の根性。盗人に共通する、ずるくていやらしい性質。
どくりつどっぽ【独立独歩】
他人に頼らず、自分の力で信ずる道を進んでいくこと。独立して自分の思うとおりにやること。▽「独歩」は他人の力を借りずに、自分だけで事を行うこと。
はくいんぼうしょう【博引旁証】
事物を説明するのに、多くの例を引き、証拠をあげて論ずること。▽「博引」は広く例を引用すること。「旁」はあまねく、広く行き渡る意。「証」は証拠の意。
はくがくしんもん【博学審問】
広く学んで詳しく問いただし、学問の道を究めること。広く学んで知識を広め、細かに詳しく疑問を起こし問うこと。儒教、特に朱子学でいう学問の道程で、学ぶ、問う、思う、弁ずる、行うの「学ぶ、問う」に当たる。▽「博」は広い意。「審問」は詳しく調べて尋ねる意。
ほうかこうぎん【放歌高吟】
あたり構わず、大きな声で歌うこと。▽「放歌」は周囲を気にせず大声で歌うこと。「高吟」は大きな声で詩を吟ずること。「高吟放歌こうぎんほうか」ともいう。
ほうげんこうろん【放言高論】
思ったまま、言いたい放題に論じること。また、そのさま。▽「放言」は思ったままを言い放つこと。「高論」は声高に論ずること。また、すぐれた議論。
もんぜつびゃくじ【悶絶躄地】
非常な苦しみの形容。立っていることができないほど悶もだえ苦しんで、転がってはいずり回ること。▽「悶絶」は悶え苦しんで意識を失うこと。苦しんで気絶すること。「躄地」は両足で立つことができず、地をはうこと。「悶絶もんぜつして地ちを躄いざる」と訓読する。
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。
りょうぎんこしょう【竜吟虎嘯】
同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。また、人の歌声や笛・琴の音などが、あたかも竜やとらのさけび声が天空にとどろき渡るように響くことをいう。▽「吟」は鳴き声をあげる、「嘯」はほえること。竜が声をあげれば雲がわき起こり、とらがうなれば風が生ずるといわれる。「竜りょう吟ぎんじ虎とら嘯うそぶく」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。