そんこうえいせつ【孫康映雪】
苦労して勉学に励むことのたとえ。苦学すること。▽「映雪」は雪明かりで書物を照らす意。晋しんの孫康が雪明かりで読書したこと。車胤しゃいんとともに「蛍雪之功」の故事で知られる。『蒙求もうぎゅう』の一句。
ぞうじてんぱい【造次顛沛】
とっさの場合。あわただしいとき。また、わずかの時間。▽「造次」は事が急に起こってあわてるとき。また、わずかの間。「造」は、にわかの意。「顛沛」は逆さまにひっくりかえる。また、つまずく意。比喩ひゆ的に用いられて、とっさのときのこと。
たいきしょうよう【大器小用】
大きな器を小さなことに用いるということから、大人物につまらない仕事をさせること。すぐれた才能の持ち主でありながら、低い地位にしか用いられないこと。人材の用い方が当を得ていないことのたとえ。▽「大器」は大きな器量。また、偉大な人物のこと。
たいざんこうもう【泰山鴻毛】
非常に重いものと非常に軽いものの意から、隔たりのきわめてはなはだしいことのたとえ。また、人の命にも軽重のあることのたとえ。
たいざんほくと【泰山北斗】
泰山と北斗星のこと。その道で大家として仰ぎ尊ばれる人。また、学問・芸術などある分野の権威・第一人者のたとえ。略して「泰斗」という。▽「泰山」は中国山東省にある名山。「北斗」は北斗七星で、ともにだれもが仰ぎ見る存在であることから。「泰」は「太」とも書く。
たいざんめいどう【大山鳴動】
騒ぎだけ大きくて、結果は意外に小さいことのたとえ。▽ふつう「大山鳴動して鼠ねずみ一匹」として使われる。「大」は「太」「泰」とも書く。
たいしょうかやく【対症下薬】
病状に応じて薬を処方すること。問題点を確認したうえで、有効な解決方法を講ずることのたとえ。▽「対症」は病気の種々の症状に応ずる意。「下薬」は薬を与えること。「症しょうに対たいして薬くすりを下くだす」と訓読する。
たいしょちゃくぼく【大処着墨】
大事なところから墨をつける意。絵や文章を書くに当たって、まず最も大事なところを押さえてから筆をおろすこと。最も大切なポイントを押さえて物事を行うたとえ。▽「大処たいしょより墨すみを着つく」と訓読する。
たいどうふき【大道不器】
聖人の行う大いなる道は、限られた物しか盛ることのできない器とは異なり、広く大きな作用を発揮することができるものであるということ。▽「大道」は聖人が踏み行う大いなる道の意。「器」は器物・道具で、ある用途・作用しかもたないもののたとえ。「大道たいどうは器きならず」と訓読する。
たいぼんぼうてん【戴盆望天】
頭に盆を載せたまま天を仰ぎ見ることはできないように、二つのことを一度に実現させることは無理であるというたとえ。よいことを二つ同時に兼備することはできないということ。