いっきょいちえい【一虚一盈】
あるいはむなしく、あるいは満ちる意。一定の形を保たず、消えたり現れ満ちたり、常に変化して予測しにくいことのたとえ。▽「虚」はむなしい、なくなる意。「盈」は満ちること。「一…一…」は「あるときは…あるときは…」の意。
かいししんろう【海市蜃楼】
蜃気楼しんきろうのこと。実体や根拠などがなく、むなしくうつろなもののたとえ。また、現実性のない考えなどのたとえ。▽「海市」「蜃楼」ともに蜃気楼の意。大気の密度などが異なることによって起こる光の異常屈折現象で、砂漠や海上の空中などで物体の像が実際とは違った場所に現れる現象。「蜃」はおおはまぐり。古代中国ではこれの吐き出す息で蜃気楼ができると考えられていた。「蜃楼海市しんろうかいし」ともいう。
きょきへいしん【虚気平心】
感情をなくして心を落ち着けること。心をむなしくして平静にすること。また、その心境。▽「虚気」は感情をなくして心をむなしくすること。「平心」は心を落ち着けること。「気きを虚むなしくして心こころを平たいらかにす」と訓読する。
きょどうけんきょう【虚堂懸鏡】
心をむなしくし、公平無私にものを見るたとえ。また、その心。人のいない部屋に鏡をかける意から。▽「虚堂」は人のいない部屋、何もない部屋。「懸鏡」は鏡をかけること。また、かけられた鏡。
こうじつじきゅう【曠日持久】
《「戦国策」趙策から》むなしく日々を過ごして物事を長引かせること。曠日弥久(こうじつびきゅう)。曠久。「此儘に—せば、鎮台益々土兵を募り」〈竜渓・浮城物語〉
こうじつびきゅう【曠日弥久】
むなしく日月を費やして、久しきにわたること。また、むだに時間を過ごして事を長引かせること。▽「曠日」は多くの月日を経ること。また、むだに月日を過ごすこと。「弥久」は長い時間を経ること。「弥」はわたる、時間を経る意。「日ひを曠むなしくして久ひさしきに弥わたる」と訓読する。
すいせいむし【酔生夢死】
何もせずに、むなしく一生を過ごすこと。生きている意味を自覚することなく、ぼんやりと無自覚に一生を送ること。酒に酔ったような、また、夢を見ているような心地で死んでいく意から。
ひにくのたん【髀肉之嘆】
実力・手腕を発揮する機会に恵まれないのを嘆くこと。むなしく日々を過ごすことの嘆きをいう。▽「髀肉」はももの肉、「嘆」はため息をついて嘆く意。「髀」は「脾」、「嘆」は「歎」とも書く。
へいききょしん【平気虚心】
平静で、心にわだかまりをもたないこと。また、その心。気を平らかにして、心を虚むなしくする意。▽「平気」は気を静め落ち着ける意。「虚心」は心にわだかまりをもたないこと。「虚」はむなしくする、からにする、雑念をなくす意。
ほうしょくしゅうじつ【飽食終日】
一日中、腹一杯食べて、何もせずに日を過ごすこと。食うだけで一日をむなしく終えてしまうこと。▽「飽食」は飽きるほど食べること。「終日」は一日中。朝から晩まで。