いんじゅんこそく【因循姑息】
古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。▽「因循」は因より循したがう意から、しきたりにとらわれて改めようとしないこと。「姑息」は姑しばらく息をつく意から、一時の間に合わせのこと。
えんじとうしょう【掩耳盗鐘】
浅はかな考えで自分をあざむき、その場逃れしても、いずれ悪事は知れ渡ってしまうこと。自分をあざむいて悪事をはたらくことのたとえ。
おくりょうらくげつ【屋梁落月】
友人を心から思う情。▽「屋梁」は屋根のはりの意。「落月屋梁らくげつおくりょう」ともいう。
おんこちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。
かとらくしょ【河図洛書】
中国古代伝説上の図や文字の「河図」「洛書」。▽「河図」は伏羲ふっきの世に、黄河から現れた竜馬の背のうず巻いた毛の形を写したという図のこと。易えきの八卦はっかの基になったとされる。「洛書」は夏の禹王うおうが洪水を治めたとき、洛水らくすいという川から現れた神亀の背の文字を写したとされる図。『書経しょきょう』洪範篇こうはんへんのもとになったとされる。転じて、得ることが難しい図書のたとえともなる。「河」は黄河、「洛」は洛水という川。
かんなんしんく【艱難辛苦】
非常な困難にあって苦しみ悩むこと。▽「艱」「難」はともにつらい、苦しい、悩むの意。「辛苦」はつらく苦しいこと。つらい目にあって悩むこと。
きゅうちょうすんだん【九腸寸断】
非常に悲しいことの形容。断腸の思い。▽「九腸」の「九」は数の多いことを表す。腸はらわた全体。「寸断」はずたずたに断ち切られる意。腸がずたずたに断ち切られるような非常なつらさ、悲しさをいう語。
くづめらくがみ【苦爪楽髪】
⇒ くがみらくづめ(苦髪楽爪)
こうさいらくか【幸災楽禍】
他人の不幸を喜ぶこと。人の災いを幸いとして喜び、災いを楽しむ意から。▽「幸災」は人の災難を幸福として喜ぶこと。「楽禍」は災いを招くことを楽しむこと。ここでは他人の災いを見て楽しむこと。「災わざわいを幸さいわいとし禍わざわいを楽たのしむ」と訓読する。「楽禍幸災らくかこうさい」ともいう。
ごくらくおうじょう【極楽往生】
死んだ後に極楽浄土に生まれ変わること。また、安らかに死ぬこと。▽仏教語。「極楽」は「極楽浄土」の略。西方に向かって十万億土を過ぎた彼方にあって、阿弥陀仏あみだぶつがいるとされるまったく苦しみのない安楽の世界。「往生」は死ぬこと。「往生極楽おうじょうごくらく」ともいう。