いきしょうてん【意気衝天】
意気込みや元気が、このうえなく盛んな状態。▽「衝天」は天を突き上げる意。勢いの盛んなことのたとえ。「意気いき天てんを衝つく」と訓読する。
いっきかせい【一気呵成】
ひと息に文章を完成すること。また、物事を中断せずに、ひと息に仕上げること。▽「呵」は息を吹きかけること。「呵成」は息を吹きかけるだけで完成する、また、凍った筆に息を吹きかけ一気に書き上げる意ともいう。
いっしょうさんたん【一唱三歎】
すばらしい詩文を賞賛する語。詩歌を一度詠み上げる間に、何度も感嘆する意から。▽「三」は何度もの意。「歎」は感じ入ってため息をつく、感心して褒めあげること。もとは先祖のみたまやである宗廟そうびょうの祭祀さいしで音楽を奏するとき、一人が唱うたえば、三人がこれに和して唱ったことをいった。「唱」は「倡」、「歎」は「嘆」とも書く。
おんとろうろう【音吐朗朗】
音声が豊かではっきりしたさま。また、音声が豊かでさわやかなさま。▽「音吐」は発声・音声、また、声の出し方をいう。「朗朗」は声が高く澄んでとおるさま。
かんこつだったい【換骨奪胎】
古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。▽もと、「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替える、「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせる意で、修練をして根本から仙人に生まれ変わることをいう道家の語。転じて、詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。「奪胎換骨だったいかんこつ」ともいい、「奪」は「脱」とも書く。「骨ほねを換かえ胎たいを奪うばう」と訓読する。
きえんばんじょう【気炎万丈】
意気込みが他を圧倒するほど盛んであること。多くは意気盛んな談論についていう。▽「気炎」は炎が燃え上がるように盛んな気勢。意気込み。「万丈」は非常に高いこと。「丈」は長さの単位。気勢を上げるのを高く燃えあがる炎にたとえたもの。「炎」は「焔」とも書く。
きょうきょうきんげん【恐恐謹言】
おそれながらつつしんで申し上げる、の意。手紙文の結びに記して敬意を表す。
きょうこうきんげん【恐惶謹言】
恐れかしこまり、つつしんで申し上げる意。相手に敬意を表するために手紙の末尾に用いる語。▽「恐惶」は恐れかしこまること。「敬具」「敬白」などと同様に用いる。
きょきふてい【挙棋不定】
物事を行うのに一定の方針がないまま、その場その場で適当に処理するたとえ。また、物事を行うのになかなか決断できないことのたとえ。本来は、碁石を手に持ち上げたものの、打つところがなかなか決まらない意。▽「挙棋」は碁石をつまみ上げること。「棋きを挙あげて定さだまらず」と訓読する。
こくふうはくう【黒風白雨】
暴風とにわか雨。暴風雨。▽「黒風」はちりやほこりを巻き上げる強い風。暴風。「白雨」はにわか雨のこと。