あんちゅうもさく【暗中模索】
手がかりのないまま、あれこれとやってみること。暗闇くらやみの中で、手探りをして求める意から。▽「模」は「摸」とも書く。
いんかんふえん【殷鑑不遠】
身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。また、自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。▽「殷」は古代中国の国の名。「鑑」は鏡で、手本の意。中国の古代王朝は夏(商ともいう)から始まり、殷、周と続く。殷王朝の戒めとなるよい見本は遠くに求めなくても、すぐ前代の夏王朝の暴政による滅亡があるという意。戒めとなる失敗の前例は遠くに求めずとも、身近にあるからこれを戒めとせよということ。一般に「殷鑑いんかん遠とおからず」と訓読を用いる。
えきせいかくめい【易姓革命】
王朝の交代のこと。天子の徳がなくなれば天命が別の姓の天子に改まり変わるという中国の政治思想。▽昔の中国では、天子は天命によって決まると信じられ、天子にその徳がなくなれば天命は他の人に代わり下ると信じられており、また一王朝は同じ血統(姓)で続いていくが、王朝交代の際には王室の姓が変わることからいう。「姓せいを易かえ命めいを革あらたむ」という意。
かちょうげっせき【花朝月夕】
春秋のさかりの気候のよい時のこと。陰暦二月中旬と八月中旬の春秋のさかりの時節。また、春秋の季節の楽しいひとときをいう。花の咲く春の朝と名月の照る秋の夕べ、また、それを楽しみめでる意。のちに陰暦二月十五日を花朝、八月十五日を月夕というようになった。
かふくいふく【禍福倚伏】
福の中に禍が潜み、禍の中に福が潜むように、災いと幸せは順繰りにおとずれるものだということ。▽「禍福」は災いと幸い。「倚伏」は禍が福のもとになったり、福が禍のもとになったり、禍福が互いに因果的に生じること。「倚」は寄り添う、また、ちなむ、原因となる意。「伏」は潜む意。
きゅうぎゅうのいちもう【九牛一毛】
多くの中の、きわめてわずかな部分のたとえ。また、きわめて些細ささいで取るに足りないことのたとえ。多くの牛に生えたたくさんの毛の中の一本の意から。▽「九牛」は多くの牛。「九」は数が多いことをいう。略して「九牛毛」ともいう。
きゅうせいさいみん【救世済民】
世の中を救い、人々を苦しみから助けること。▽「救世」は悪い世の中を救ってよいほうに導くこと。特に宗教の力で、この世の苦しみから人々を救うこと。「済民」は人民の難儀を救うこと。「済」も救う、救助する意。
きんじゅういてき【禽獣夷狄】
中国周辺にいる異民族を卑しんでいう語。▽「禽獣」は鳥やけだもの。「夷狄」は異民族・未開人の意。
じゅんいつむざつ【純一無雑】
混じり気がないさま。また、性質などが純粋で偽りや邪心がないこと。▽「純一」「無雑」はともに混じり気のないこと。また、そのさま。
たじたたん【多事多端】
仕事が多くてたいへん忙しいさま。▽「多事」はするべき仕事が多いこと。「端」は物事の始めの意で、「多端」は仕事が多く忙しいさまをいう。