かじんはくめい【佳人薄命】
美人はとかく薄幸であること。美人は美しく生まれついたため数奇な運命にあって、とかく幸せな一生が送れないものであること。また、美人はとかく短命であること。立派な人について言う場合もある。▽「薄命」は不運のこと。運命に恵まれないこと。また、短命の意にも用いる。
きゅうきょじゃくそう【鳩居鵲巣】
もとは女が嫁いで、夫の家をわが家とするたとえ。転じて、労せずして他人の成功や他人の地位を横取りするたとえ。また、人の家に仮住まいするたとえとして用いられることもある。鳩はとは巣作りが下手で、それの上手な鵲かささぎの巣に住み、卵を生む意から。▽「鵲」はかささぎのこと。「鳩はと、鵲かささぎの巣すに居おる」と訓読する。「鵲巣鳩居じゃくそうきゅうきょ」ともいう。
ぎゅうきどうそう【牛驥同皁】
賢者が愚者と同一の待遇を受けるたとえ。賢者が粗末に扱われるたとえ。また、賢者と凡人が混じるたとえ。足ののろい牛と一日に千里を走る駿馬しゅんめが、一緒の飼い葉桶おけの餌えさを食べる意から。また、牛馬と飼い葉桶を同じくして養われる意から。▽「驥」は一日に千里走ることのできる駿馬。「皁」は飼い葉桶の意。「牛驥ぎゅうき皁そうを同おなじうす」と訓読する。
さいしゅうふくしゅう【載舟覆舟】
君主は人民によって支えられ、また、人民によって滅ぼされること。君主は人民を愛し、政治に安んじさせることが必要であるということをいう。また、人は味方して盛り立ててくれることもあれば、敵となってつぶしにかかることもあるということ。▽水は舟を浮かべるものであるが、同時に舟を転覆させもする意。君主を舟、民衆を水にたとえたもの。「舟ふねを載のせ舟ふねを覆くつがえす」と訓読する。
さんめんろっぴ【三面六臂】
三つの顔と六つの腕をもつ意から、一人で何人分かの働きをすること。また、一人で多方面にわたって活躍すること。▽「面」は顔。「臂」はひじ・腕のこと。
じゅんぷうびぞく【淳風美俗】
人情の厚い美しい風俗や習慣。▽「淳風」は素直で、人情の厚い風俗。「俗」は風習・習慣。「淳」は「醇」とも書く。
せんゆうこうらく【先憂後楽】
常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむこと。北宋の忠臣范仲淹はんちゅうえんが為政者の心得を述べた言葉。転じて、先に苦労・苦難を体験した者は、後に安楽になれるということ。▽「憂」は心配すること。
たいきばんせい【大器晩成】
大きな器は完成するまでに時間がかかることから、真に偉大な人物も大成するのが遅いということ。大人物は遅れて頭角を現すということ。才能がありながら不遇である人に対する慰めの言葉としても用いる。▽「大器」は偉大な器量をもつ人。「晩成」は多くの時間を費やして成就すること。
ちんぎょらくがん【沈魚落雁】
魚や雁がんも恥じらって、身を隠すほどの美人。▽もともとは『荘子そうじ』斉物論せいぶつろんに見える逸話で、人間の基準での美人を見ても魚や鳥は逃げるだけだという、価値の相対性を表した語。「落雁沈魚らくがんちんぎょ」ともいう。
てっちゅうのそうそう【鉄中錚錚】
凡人の中でもいくらか他よりはすぐれている人のたとえ。