いかんそくたい【衣冠束帯】
天皇以下、公家くげの正装。昔の貴族や高級官僚の正装。▽「衣冠」「束帯」はともに貴族の装束。「束帯」は衣を束ね、整える帯の意。転じて、朝廷での公事・儀式などでの正装。「衣冠」は束帯に次ぐもので、その略装。
かしょくのてん【華燭之典】
結婚式のこと。
かんこつだったい【換骨奪胎】
古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。▽もと、「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替える、「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせる意で、修練をして根本から仙人に生まれ変わることをいう道家の語。転じて、詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。「奪胎換骨だったいかんこつ」ともいい、「奪」は「脱」とも書く。「骨ほねを換かえ胎たいを奪うばう」と訓読する。
がいこうじれい【外交辞令】
外交上、社交上用いられる儀礼的で形式的なことばのこと。転じて、口先だけのお世辞、お愛想の意。
けちえんかんじょう【結縁灌頂】
広く世間一般の人々に仏道と縁を結ばせるために行う儀式のこと。
さいかいもくよく【斎戒沐浴】
神仏に祈ったり神聖な仕事に従事したりする前に、飲食や行動を慎み、水を浴びて心身を清めること。▽「斎戒」は物忌みをすること。神をまつるときなどに、心身を清め汚れを去ること。「沐浴」は髪やからだを洗い清めること。「沐浴斎戒もくよくさいかい」ともいう。
さんききゅうこう【三跪九叩】
三度、跪ひざまずいてから、九回、頭を地面につけるという礼のしかた。中国清朝の皇帝に対する拝礼方式。「三跪九叩頭さんききゅうこうとう」ともいう。
さんだんろんぽう【三段論法】
論理学における推理法で、二つの判断(前提)と第三の判断(結論)であるところの「大前提・小前提・結論」の組み合わせで、推理を行うこと。三段推理法。三段法。
ざんざんじょうすい【残山剰水】
戦乱などの後に残された荒廃した山河のこと。亡国の風景。また、全景を描ききらず、部分的に描くことで、かえって自然の雄大な景観を表現する山水画の描法。この場合は、山河を描ききらずに残す意。▽「残」「剰」はともに、損なわれ残っている意。「水」は川の意。「剰水残山じょうすいざんざん」ともいう。
じだいさくご【時代錯誤】
時代の異なるものを混同して考えること。また、考え方や行動などが時代の流れに逆行していて合わないこと。時代遅れ。アナクロニズム。▽「錯誤」は、たがう、誤ること。