ゆいがどくそん【唯我独尊】
この世で、自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること。釈迦しゃかが生まれたときに七歩歩き、一方で天を指し、他方で地を指して唱えたという言葉と伝えられる。この世の中で自分より尊いものはいないという意味。▽「天上天下てんげ唯我独尊」の略。「唯我」はただ自分のみということ。「独尊」は自分だけが一人尊いということ。
らいらいせせ【来来世世】
《「来世」のそれぞれの字を重ねて意味を強めた語》来世のまた次の来世。生まれかわり死にかわって繰り返される長い未来。未来永劫(えいごう)。「—の迷ひなり」〈浄・嫗山姥〉
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。
らっかろうぜき【落花狼藉】
物が散乱すること。また、女性に乱暴な行為に及ぶこと。▽「落花」は花が散って地面に落ちたもの。「狼藉」は無秩序に散らかったさま。おおかみが寝た跡は草が乱れていることから生まれた語。花びらが乱れ散った様子をいう。また、花を女性に見立てて、女性に乱暴をはたらく意をも表す。
らんでんしょうぎょく【藍田生玉】
よい家柄からは、立派な子弟が生まれるということ。
りょうちりょうのう【良知良能】
人間が先天的にもっている知恵と才能のこと。後天的に獲得する学問や経験によるものではなく、人が生まれながらにもっている正しい心の働きと能力のこと。子が親を敬愛することの類たぐいをいう。▽孟子もうしの性善説せいぜんせつ(人間は本来、善良な生き物である、というもの)に基づく考え方。
りょくりんはくは【緑林白波】
泥棒・盗賊のこと。また、その潜伏場所をいう。▽中国新の王莽おうもうが天下を支配していたとき、緑林山に無頼の徒が立てこもり、そこを拠点にして強盗を働いていた。また、後漢ごかんの時代に張角ちょうかくを主領とし、頭に黄色の布切れをつけた黄巾こうきんの賊が白波谷を拠点として乱を起こしたことから、このような表現が生まれた。
りんねてんしょう【輪廻転生】
人が生まれ変わり、死に変わりし続けること。▽仏教語。「輪廻」は車輪がぐるぐると回転し続けるように、人が何度も生死を繰り返すことを指す。「転生」は生まれ変わること。「転生輪廻てんしょうりんね」ともいう。
ろくどうりんね【六道輪廻】
この世に生きるすべてのものは、六道の世界に生と死を何度も繰り返して、さまよい続けるということ。▽仏教語。「六道」は生前の行為の善悪によって、死後に行き先が決まる六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)。「輪廻」は、車輪が回転してきわまりないように、霊魂は不滅で死後また生まれ変わるという考え方。
わこんようさい【和魂洋才】
日本固有の精神を失わずに、西洋からのすぐれた学問・知識を摂取し、活用すべきであるということ。▽「和魂」は日本固有の精神のこと。「洋才」は西洋の学問に関する才能や知識のこと。「和魂漢才」の類推から生まれた語。