せつもんきんし【切問近思】
まだ知らないことを身近な問題として取り上げ、熱心に問いただして考えること。▽「切問」は熱心に問うこと。「切せつに問といて近ちかく思おもう」と訓読する。
せんいあんか【潜移暗化】
環境や他人からの影響を受けて、いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。▽「潜」も「暗」もひそかに、しらずしらずのうちにの意。「移」「化」は移り変わる、感化される意。「潜ひそかに移うつり暗あんに化かす」と訓読する。
ぜっこうきり【絶巧棄利】
巧みに作られた機械や道具など便利なものを捨てて、自然の生活に戻ること。▽「絶巧」は人の力で巧みに作られたものを絶つこと。「棄利」は便利に作られたものを捨てること。「巧こうを絶たち利りを棄すつ」と訓読する。
ちそくあんぶん【知足安分】
高望みをせず、自分の境遇に満足すること。▽「知足」は足ることを知る意。分ぶんをわきまえて欲をかかないこと。「安分」は自分の境遇・身分に満足すること。「足たるを知しり分ぶんに安やすんず」と訓読する。
ちへいてんせい【地平天成】
世の中が平穏で、天地が治まること。▽「地平」は地の変動がなく、世の中が平穏に治まること。「天成」は天の運行が順調で、万物が栄えることをいう。▽「地ち平たいらかに天てん成なる」と訓読する。「内平外成ないへいがいせい」とともに、年号の「平成」の出典とされる語。
とうえんけつぎ【桃園結義】
中国の小説『三国志演義さんごくしえんぎ』の中で、主人公の劉備玄徳りゅうびげんとく関羽かんう張飛ちょうひの三英雄が、張飛の家の桃畑で義兄弟の契りを結んだこと。のちに、義兄弟の契りとも呼ばれ、力を合わせて事にあたることを意味するようになった。▽「桃園とうえんに義ぎを結むすぶ」と訓読する。
とうきりつだん【当機立断】
機会をとらえて、素早く決断すること。▽「機」は時機・機会の意。「当機」は機に臨むこと。「立」は即刻、直ちにの意。「立断」ですばやく決断すること。「機きに当あたりて、立たちどころに断だんず」と訓読する。
とうじょうしゅうこ【蹈常襲故】
従来のしきたりや方法を受け継いで、そのとおりに物事を執り行うこと。▽「蹈」は踏む。踏み行う。「襲」は受け継ぐ意。「常つねを蹈ふんで故こを襲おそう」と訓読する。略して「蹈襲」という。現代表記では「踏襲」。
どうちょうとせつ【道聴塗説】
知識などの理解がいい加減で、しっかり自分のものになっていないこと。また、根拠のない伝聞、受け売りの意。▽「塗」は「道」と同じで道路のこと。道でたまたま聞き知ったことを、また道で得意そうに、人に話し伝えること。「道みちに聴ききて塗みちに説とく」と訓読する。
にくたんけんよう【肉袒牽羊】
降伏して相手に服従し、臣僕となることを請願すること。肌を脱ぎ、上半身裸になって羊をひく意から。▽「肉袒」は肌を脱ぎ、上半身をあらわにすること。降伏・謝罪の意。「牽羊」は羊をひいていくこと。料理人として相手に仕え、しもべとなることを請う意。「肉袒にくたんして羊ひつじを牽ひく」と訓読する。