ばくすいりょうき【麦穂両岐】
麦の穂が二またになって実る意から、豊作のしるし。また、善政が敷かれていることのたとえ。▽「両岐」は二またに分かれること。「岐」は「ぎ」とも読む。
ばりぞうごん【罵詈雑言】
きたない言葉で、悪口を並べ立ててののしること。また、その言葉。▽「罵詈」は口ぎたなくののしること。「雑言」はいろいろな悪口や、でたらめな言いがかり。「言」は「げん」とも読む。
ばんしいっせい【万死一生】
必死の覚悟を決めること。また、ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。▽「万死」はほとんど助かる見込みのないこと。「生」は「しょう」とも読む。前者は「万死に一生を顧かえりみず」、後者は「万死を出いでて一生に遇あう」「万死に一生を得う」の略。
ばんのういっしん【万能一心】
何事をするにも、心を集中してしなければならないということ。また、あらゆる技芸をこなせても、真心が欠けていれば、何の役にも立たないということ。万能よりも真心が大切なことをいう。また、真心をこめてする意に用いられることもある。▽「万能足りて一心足らず」の略。「万」は「まん」とも読む。
ひけんしつえい【被堅執鋭】
堅固なよろいを身にまとい、鋭利な武器を持つこと。多く将軍が自ら前線で敵に当たる意に用いられた。▽「被堅」は堅いよろいを身につけること。「執鋭」は鋭い武器を持つこと。「被」は「披」とも書く。また「執」は「しゅう」とも読む。「堅けんを被こうむり鋭えいを執とる」と訓読する。
ひとりゅうぶん【飛兎竜文】
才能のあるすぐれた子供のこと。▽「飛兎」「竜文」はともに、非常によく走るすぐれた馬、駿馬しゅんめの名前。転じて、俊童の意となった。「竜」は「りょう」、「文」は「もん」とも読む。
ひゃっきやこう【百鬼夜行】
悪人どもが時を得て、勝手に振る舞うこと。また、多くの人が怪しく醜い行為をすること。▽「百鬼」はいろいろな妖怪ようかいのこと。「夜行」は暗夜に列をなして歩き回ること。多くの化け物が、夜中に行列をつくって歩き回る意から。「行」は「ぎょう」とも読む。
ふいのまじわり【布衣之交】
身分や地位などにこだわらない、心からの交わり。また、庶民同士、身分の低い者同士の付き合い。出世前の付き合い。▽「布衣」は布で作った衣服。一般庶民の着物。転じて、官位のない人の意。平民・庶民のこと。「交」は「こう」とも読む。
ふくりょうほうすう【伏竜鳳雛】
才能がありながら機会に恵まれず、力を発揮できない者のたとえ。機会を得ず、まだ世に隠れているすぐれた人物のたとえ。また、将来が期待される若者のたとえとしても用いる。▽「伏竜」は伏し隠れている竜。「鳳雛」は鳳おおとりのひな。「鳳」は想像上の瑞鳥ずいちょう、鳳凰ほうおうのこと。「竜」は「りゅう」とも読む。
ふしつせいこく【不失正鵠】
物事の要点や急所を正確にとらえること。的まとをはずれないこと。▽「正鵠」は弓の的の中心。的の真ん中の黒い星をいう。転じて、物事の要点・急所の意。「正鵠せいこくを失うしなわず」と訓読する。「正鵠」を「せいこう」と読むのは慣用読み。