かったつじざい【闊達自在】
心が広く小事にこだわらないさま。思いのままにのびのびしているさま。▽「闊達」は度量の大きく細事にこだわらないこと。「自在」は何の束縛もなく思いのままなこと。
かっぱつはっち【活溌溌地】
生き生きとして勢いのあるさま。意気盛んで、元気のあるさま。▽「活溌溌」は魚がぴちぴちと勢いよくはね上がるさま。「地」は助字。「かっぱつぱっち」「かつはつはっち」とも読む。また「活撥撥地」とも書く。
かっぱつはっち【活潑潑地】
勢いがあるさま。生き生きとして元気盛んなさま。魚が元気に跳ねる意から。
かでんりか【瓜田李下】
人に疑念を抱かせるような言動は慎むべきであるという戒めの語。また、人に嫌疑を抱かせるような言動のたとえともなる。▽「瓜田」は瓜うりのはたけ。「李下」は李すももの木の下。「李下瓜田りかかでん」ともいう。
かとらくしょ【河図洛書】
中国古代伝説上の図や文字の「河図」「洛書」。▽「河図」は伏羲ふっきの世に、黄河から現れた竜馬の背のうず巻いた毛の形を写したという図のこと。易えきの八卦はっかの基になったとされる。「洛書」は夏の禹王うおうが洪水を治めたとき、洛水らくすいという川から現れた神亀の背の文字を写したとされる図。『書経しょきょう』洪範篇こうはんへんのもとになったとされる。転じて、得ることが難しい図書のたとえともなる。「河」は黄河、「洛」は洛水という川。
かりょうびんが【迦陵頻伽】
美しい声のたとえ。また、声の非常に美しいもののたとえ。あるいはヒマラヤ山中にいる想像上の鳥の名で、まだ殻にあるときに美しい声で鳴くともいい、極楽浄土にすみ、比類なき美声で鳴く想像上の鳥ともいう。浄土曼陀羅じょうどまんだらの絵などでは上半身は美女、下半身は鳥の姿で描かれている。▽仏教語。梵語ぼんごkalavinkaの音写で、仏典では「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」などと訳されており、この鳥の比類のない美声を仏の声にたとえている。
かろとうせん【夏炉冬扇】
時期はずれの無駄なもののたとえ。また、無用なもの、役に立たない言論や才能などのたとえ。夏の囲炉裏いろりと冬の扇うちわの意から。▽君主の信望・寵愛ちょうあいを失った者や、寵愛を失った宮女、恋人にすてられた女性のたとえとして用いられることもある。「冬扇夏炉とうせんかろ」ともいう。
かんきゅうじざい【緩急自在】
状況などに応じて早くしたり遅くしたり、緩めたり厳しくしたりと思うままに操れるさま。▽「緩急」は緩やかなことと、あわただしいこと。遅いことと早いこと、ゆるやかなことと厳しいこと。「自在」は思いのままであるさま。
かんこつだったい【換骨奪胎】
古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。▽もと、「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替える、「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせる意で、修練をして根本から仙人に生まれ変わることをいう道家の語。転じて、詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。「奪胎換骨だったいかんこつ」ともいい、「奪」は「脱」とも書く。「骨ほねを換かえ胎たいを奪うばう」と訓読する。
かんざんじっとく【寒山拾得】
中国唐代中期の寒山と拾得の二人の高僧。二人とも奇行が多く、詩人としても有名だが、その実在すら疑われることもある。拾得は天台山国清寺こくせいじの食事係をしていたが、近くの寒巌かんがんに隠れ住み乞食こじきのような格好をした寒山と仲がよく、寺の残飯をとっておいては寒山に持たせてやったという。また、この二人は文殊菩薩もんじゅぼさつ、普賢ふげん菩薩の生まれ変わりといわれる。画題としてもよく用いられる。